サムライインキュベートは9月30日、国内外のスタートアップとの横断的な連携により、日本企業のイノベーションを加速するプラットフォーム「SAMURAI GLOBAL OPEN INNOVATION PLATFORM」の提供を開始したと発表した。
同社では、これまでベンチャーキャピタルとしての事業創造ノウハウやグローバルネットワークを生かし、日本の大企業へのオープンイノベーションの支援などを実施してきた。
一方、今後の世界のイノベーションは、IoTやディープテック(高度な科学技術や研究開発などにより創造された、世の中を大きく変える可能性を秘めた破壊的な技術)の領域に比重が移る中で、日本企業の技術力や開発ノウハウ、グローバルオペレーション(海外の企業との協業を検討、検証、事業化する中で発生する業務)は各国から求められる状況にあり、日本企業にとっては、世界でイノベーションを拡大・展開していくチャンスでもあると考えているという。
しかし、「スタートアップとの出会いは多いが協業がうまく進まない」「活動が国内に止まり有望企業へのアプローチが限定的」「海外マーケットでの連携が拡大しきれない」などの課題が多くある。そこで同社では、日本起点で世界を変えていく活動を加速するため、日本企業とグローバルで活躍しているスタートアップの連携加速を目指すSAMURAI GLOBAL OPEN INNOVATION PLATFORMの提供を開始した。
同サービスでは、各日本企業の状況に応じて、グローバルストラテジー(その企業によって異なる海外における技術探索や市場開拓などの、展開方法やパートナーシップ、協業テーマや技術などを前提とした戦略)の策定、国内外スタートアップの探索・評価・分析、共同でのR&Dやビジネス開発、新規マーケット開拓の支援まで、一気通貫で伴走支援をする。
特徴は大きく6つ。1つ目は、同社ブランチのイスラエル・アフリカに加え、現地パートナーとの連携により、中国・米国・欧州・ASEANのスタートアップリサーチを支援する「グローバルスタートアップデータベース」。2つ目は、アーリーステージの社歴や事業実績が僅少なスタートアップの事業評価・シナジー評価を可能にする「スタートアップ評価・分析ツール」。
3つ目は、文化・商習慣・強みの異なるスタートアップとの事業共創をアイディエーションから事業化まで円滑に推進するためのナレッジ「事業共創マニュアル」。4つ目は、開発・生産など大きな投資をする前に、プロダクトの有望性を検証し、顧客と磨き上げるオンライン検証プラットフォーム「PoCプラットフォーム」。
5つ目は、イスラエル・アフリカ・中国・米国・欧州・アセアンの現地スタートアップや個別市場へ精通した、現地のベンチャーキャピタル・アクセラレーター・スタートアップメディアなどのパートナーネットワーク「グローバルパートナーネットワーク」。6つ目は、大企業内でのイノベーションを効率的に進めるためのポートフォリオマネジメント、事業開発体制・制度、アントレプレナー育成などの高度化フレームワーク「イノベーション組織フレームワーク」となる。
加えて、海外連携エリアでは、(1)イスラエルで先端テクノロジー探索、(2)アフリカ大陸で社会課題起点の新産業創出、(3)中国でテックサプライチェーン、(4)北米エリアで先端イノベーション探索、(5)欧州エリアで製造業イノベーション、(6)ASEANエリアで世界最大市場参入といった、各エリアでの支援も行う予定だという。
今後、これらのサービスを日本企業が使いたい時に常に使える「定常支援プラン」、日本語で世界のスタートアップ情報が調査可能な「グローバルスタートアップデータベース」の提供を目指し、日本企業のニーズにより合わせたサービスへ進化させる予定だという。
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