サムスン初の折りたたみ式スマートフォン「Galaxy Fold」を4月にレビューした際、筆者は折りたたみ式スマートフォンについて、スクリーンの品質が決め手になると述べた。ほかのあらゆるスマートフォン以上に、折りたたみ式スマートフォンでは、スクリーンが存在理由そのものであるからだ。すべての価値は、タブレットの半分のサイズでありながら、「Galaxy Note10+」などの6.8インチスマートフォンよりも大きなディスプレイで有意義な体験を提供できることにある。
今振り返ってみると、筆者の主張は半分だけ正しかったようだ。スクリーンの完全性は、全体像の一部分にすぎない。Galaxy Foldが最初から困難に直面したのは、プラスチック製スクリーンの一番上の層がガラスよりも柔らかかったことだけが原因ではない。ダメージを負ったのは、全体的な設計が、本来あるべきレベルよりも脆かったからだ。スクリーンはこの失態の原因の中心となった。
何カ月も前にGalaxy Foldの発売延期を決めたサムスンは、9月になって、再設計された同端末を発売する準備をようやく整えた。プラスチックと金属の補強材でスクリーンが強化されたので、発売延期の原因となった初期の問題は回避されそうだ。だからといって、スクリーンが破損しなくなるわけではないが、設計上の欠陥を修復することで、そうした問題がすぐに発生するのを防ぐことができる可能性はある。
Galaxy Foldは半分に折りたためるスクリーンを採用した同社初のデバイスであり、主要ブランドが市場に投入した初めての折りたたみ式スマートフォンでもある(発売が延期された華為技術《ファーウェイ》の「Mate X」は、現在の予定では10月に発売される可能性がある)。だが、一番になろうと急いだ結果、Galaxy Foldは印象を損ね、サムスンの最高経営責任者(CEO)は恥を掻いた。さらに、重大なリスクがあるこれらのデバイスの耐久性にも疑問が投げかけられた。サムスンがこの教訓を忘れることはおそらくないだろう。同社がこうした過ちを繰り返さないことを筆者は願っている。
Galaxy Foldのスクリーンの問題は、ほぼ瞬時に始まった。複数のレビュアーがディスプレイに悪影響を及ぼす3種類の問題に気づいたのだ。スクリーンの膨らみやちらつきが報告されたほか、複数のケースで、よくある使い捨てのほこり防止シートのような保護フィルムを剥がすとディスプレイが破損した。Galaxy Foldは完成品というよりもプロトタイプに近く、それが露呈した。
サムスンによると、同社はプラスチックと金属の補強材を全体に追加することで、同端末の弱点を修正したという。ほこりが入り込む可能性のある隙間を塞いで、スクリーン層を強化し、あの決定的な保護フィルムを剥がせないようにした。筆者は再設計されたGalaxy Foldの実機に触れる機会を得たが、最初の製品よりも頑丈になっていると感じた。
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