アシストスーツにサブスクリプションモデルが登場した。ユーピーアールは9月4日、動力(モー ター)付きアシストスーツ「サポートジャケットEp+ROBO」を開発。9月10日に会見を開き、1台に付き1日1000円のデイリーレンタルに加え、1台に付き月額1万8000円のサブスクリプションサービスを用意すると発表した。
サポートジャケットEp+ROBOは、無動力のサポートジャケット「Bb+PRO(プロ)」と「Bb+FIT(フィット)」に続く、サポートジャケットの第3弾モデル。「価格と重さから、導入を見送るケースが多かった」(ユーピーアール 代表取締役社長の酒田義矢氏)という現状を受け、安くて軽いサポートジャケットをコンセプトに開発した。
新モデルは、今までアシストスーツの背中についていたフレームをなくし「前抱えフレーム方式」を採用することで、業界最軽量クラスとなる3.4kgの軽量化を実現。動作作用方式は、上半身と太ももの両方をプッシュする「プッシュ+プラッシュ方式」を用い、小さなモーターで最大限の力を発揮できるよう設計したという。これにより、筋肉の活動比率を最大42.8%軽減することに成功。腰椎にかかる圧力低下にもつなげる。
ユーピーアールは、パレット事業を主力とする物流機器、輸送機器のレンタル会社。物流などの現場に深く係る中で、高齢化や労働人口の減少などの課題が深刻化している現状を受け、アシストスーツの商品化に踏み切ったという。「現場の悩みの1つは腰痛。業務上疾病発生率の約6割が腰痛という結果もでている」(酒田氏)という。
2010年に産学連携で共同研究をスタート。パレットレンタル事業などで培った、3000社を超える現場の声を聞きながら開発できる強みをいかし、2014年にアシストスーツを実用化した。開発を続けるうちに見えてきたのが「ニーズはあるが、当時のアシストスーツの値段は100万円程度。重さも約7kgと重く、高くて手が出ない、高齢者や女性もいる現場で使うには適当でなかった」という事実。Ep+ROBOは、現場の声を反映し、試行錯誤を繰り返すことで開発したモデルだ。
従来モデルでは、布地の部分が暑いという声を受け、身体とのフィット面を少なくし、樹脂製のボーンを取り外すことで洗濯機での洗濯を実現。「ヘルメット、安全靴などと同様に、腰を守るツールとしてアシストスーツを導入してほしい」(酒田氏)と意気込む。
価格については、デイリーレンタル、月額定額サービス、販売の3つのメニューを用意。「試したいというお声を受け、体験会や展示会を積極的に展開しているがそれでも足りない。気軽にレンタルできる環境を整えることで、より買い求めやすい環境を整備した」(ユーピーアール アシストスーツ事業部長の長澤仁氏)と話す。
販売、レンタルは10月1日からで、最大常時10kgfの補助力を実現。サイズは155〜190cmで男女兼用モデルになる。ユーピーアールでは、物流のほか、農業、製造業などの現場への導入を目指す。
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