スタートアップのオフィス選びに新たな選択肢が登場している。シェアオフィス、オフィスの企画、設計、運営などを手がけるリアルゲイトは、ビル1棟をスタートアップが自由にカスタマイズできる「オーダーメイドビルディング賃貸事業」を3月に開始した。
オーダーメイドビルディング賃貸事業は、経年劣化により不動産価値が下がるなど競争力を失った300坪未満の築古小規模ビルをリアルゲイトが一括で借り上げ、スタートアップ企業向けに再賃貸する事業。リアルゲイト側で一定の工事をした後、オフィス空間の内装や屋上や外観の変更、ビルの命名権といった部分を入居者が担えることが特徴で、ビル1棟を自由にカスタマイズできる。
渋谷区神宮前2棟、北参道、日本橋、清澄白河の計5棟を第1弾としてサービスを開始しており、神宮前2棟「OMB JINGUMAE 1st」「OMB JINGUMAE 2nd」をこの度公開した。
OMB JINGUMAE 1stは1989年10月、OMB JINGUMAE 2ndは1997年6月に竣工した築古ビル。いずれも渋谷駅から徒歩5分、明治神宮前駅から徒歩7分の場所に位置する。
OMB JINGUMAE 1stは、専門学校として使用していたビルをオフィス向けにリノベーション。受付などがあり、細かく区切られていた1階入り口近くを改装し、開放的なワンフロアへと生まれ変わらせた。
鉄筋コンクリート造地下2階地上5階建で、延床面積は494.92平方メートル。地下2階から1階までをリアルゲイト側で施工し、2階から5階まではそのままの状態で貸し出すことで、入居者が自由にオフィスを構築できるという。貸出賃料は約420万円。すでに1棟まるごとでの入居者が決定している。
OMB JINGUMAE 2ndは、築22年のビルをリノベーション。ガレージだったビルの1階部分を、デッキテラスや大きなドアを取り付けることで、ビルの前後からアプローチができる物件に変更した。
鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建で、以前は1階部分のみだった、パウダールームスペースを各階に設けるなど、使い勝手を含めて大幅にリノベーションしているという。貸出賃料は430万円。すでに数社から入居申し込みがきているという。
リアルゲイトでは、シェアオフィスやオフィス物件を数多く取り扱っており、1棟貸しでの物件提供はこの3月からスタート。スタートアップ企業は短い期間で従業員数が増え、オフィスが手狭になるケースが多いため、1棟貸しを始めたことで、入居者と長く付き合えるようになったという。
スタートアップ向けクリエイティブオフィスを都内で45棟手がけており、今後も年間10棟以上の開業を目指している。
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