カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームは、声を出す際に脳で発生する電気信号を解析することで、発声される言葉を信号パターンから合成することに成功した。
この技術は、唇やあご、舌など発生につながる部位を制御する言語中枢の活動をとらえ、活動状況から発生されるであろう音声を作り出すもの。実験では、脳に電極を埋め込んでいる被験者に協力してもらい、実際の発声と脳の動きをそれぞれ記録した。こうして集めたデータを解析し、脳の活動から唇の動きなどを推測し、音声を合成した。
まだ初歩的な段階であるが、将来は脳卒中や外傷による神経障がい、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などによって声を出せなくなった人の支援技術につながる成果だとした。さらに、流ちょうな発話にとどまらず、感情や個性まで伝えられる表現豊かな音声合成の可能性まであるという。
研究の紹介ビデオ(出典:UCSF/YouTube)
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