もちろん、MicrosoftやGoogleは、Appleが「HomeKit」をサポートするシーリングファンを作る必要があるほどには他社のためにデバイスを作る義務はない。そして両社ともにハードウェアの取り組みは社会貢献的活動ではないので、他の戦略的利益があっても、すべてのハードウェア製品はその商業的潜在力を評価されなければならない。
例えばMicrosoftは、初代「Surface」で「Windows RT」をサポートすることで自社製品を自ら試そうとしていた。Windows RTは成功しなかったが、「Snapdragon」で稼働するWindowsのような最近の構想のための教訓にはなった。もっとも、Microsoftはファーストパーティーとサードパーティーの両方の立場に立ったことがある。例えば、「HoloLens」はMicrosoftのファーストパーティー製品だが、「Windows Mixed Reality」対応の仮想現実(VR)ヘッドセットをHPやAcerなどのパートナー企業が提供している。だが、Microsoftがパートナー企業にVRヘッドセットを作らせておいて、後からHoloLensを発表したわけではない。そんなことをすれば、Microsoftが方向性をサードパーティーにシフトしたように見えただろう。
そして、パートナー企業を自社のエコシステム内で競合させれば、不満を感じさせることになる。Amazonは、数週間前のEcho製品発表イベントで、Ankerの「Roav Kira」とは明らかに異なるタイプの車載Alexaデバイス「Echo Auto」を披露した。同社はまた、Sonosの製品と正面から対抗するマルチルームサポートのハイエンドオーディオ製品も打ち出した。Sonosは、Alexaに加えてGoogleアシスタントもサポートすることでアシスタントの中立性を強化しようとしているが、遅れている。一方、Gartnerによると、Microsoftは米国でのPCメーカーのトップ5にランクインし、Acerを蹴落とした。Acerはたまたま、教育機関向けChrome OSタブレットに最初に参入したメーカーだ。
それでも、Made by Googleイベントでわれわれが目にした多様性は衝撃的だ。このイベントが示した道は、Googleが注力に値する製品カテゴリを決定することにより、何を目指そうとしているのかについて謎を生んでいる。Googleがこのような幅広く多様な消費者向け技術に興味を持っていることは、人々の注目の対象が頻繁に移り変わることを理解する助けにはなるかもしれないが、同社のプラットフォーム拡大という目標のためにはならないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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