ゲームは、前述のようにサイコロを振って日本全国の駅をめぐっていくことで進行する。止まったマスによって会話が発生したり、さまざまなイベントが発生。それらを通じてツクモのパラメータが上がっていく。また、ミッションともいえる“めがみのおしごと”をこなしていくことでもパラメータアップなどのご褒美があるという。
なかには食材をルーレットによって入手できるマスもあり、特定の食材を集めると、ツクモに料理を食べさせることができる。なかには「ご当地料理」も作ることが可能。料理を食べることでもパラメータがアップする。
目的は、七柱のめがみがいるマスで神格試験を受けて合格すること。そのためにはまず「お供え物」のシンボルがあるマスに到達して、七柱のめがみを出現させる。そしてツクモのパラメータが一定値を超えると、めがみのおしごとに「金の絵馬」が出現。これを3枚クリアすることで、神格試験を受けることができる。
神格試験はツクモがどれだけ成長しているかをパラメータで判断するものだが、成長が足りない場合でも、プレーヤーの“おうえん”で合格できる可能性があるという。無事に合格すると“神格”が上がり、新たなめがみとの物語が展開していく。
ちなみに、移動に使われるサイコロは無制限に振ることができるため、サイコロだけで日本列島を北から南までまわっていくことも理論上は可能。もっとも、およそ2万マスあるというマップを、最大6までしかない出ないサイコロで移動するのは、かなりの根気と時間が必要であり、狙ったマスに止まるということにも時間がかかる。前述したおさい銭を使うことによって、好きな目を出すことができるなど、移動を便利にする機能もあるという。
また課金アイテムとなる「宝玉」も用意。神衣が手に入る「つづら」マスで、通常よりも多く開けることができたり、神格試験が不合格になったときにその場で追試を受けることができる。また、おさい銭に変換することも可能だ。
数時間ほどプレイしてまず驚いたところは、めがみスピークエンジンによる合成音声のなめらかさだ。本作では基本的にツクモのセリフは合成音声となっており、PVなどでもそのなめらかさを感じ取ることができる。さらに、入力した言葉に対するイントネーションに関しても、筆者が試した限り確度が高いようにも思えた。ツクモに読み方やイントネーションを指示することが可能だが、その必要が無いようにも思えるぐらいだ。
もちろん合成音声特有の発声は残っており、その部分だけを切り取って着目してしまうと「肉声のほうがいい」という意見もあるかと思うが、プレーヤー自ら教えた言葉に対してきちんと発声してくれるのはうれしいもの。言葉を知らない状態で登場したツクモに対して、あいさつの言葉を教えるシーンがあり、入力画面では「おはよう」と書かれているものの、例えば「おっす」などの別の言葉に変えるだけでも、ツクモの存在が一歩近づくように感じられる。言葉に対する自由度の高さが、そのまま世界観の広がりと親近感を持ちやすくなるように思えた。
また、喜怒哀楽が分かりやすいツクモの豊かな表情やリアクションも、ツクモとの会話体験をしているような感覚の後押しになっている。見た目のバリエーションの豊富さも相まって“自分が育てている、自分だけのツクモ”という感覚になる。交通系ICカードとの連動要素についても、実際には行わなくてもゲームを進めていく分には問題がないようになっているが、履歴から発生する会話によって、実際の生活にリンクしたものになり、生活に溶け込んだものになっていく。
ゲームについては、コツコツとプレイしていればクリアができるという内容であるため、難易度としての難しさはそれほどないようにも思われる。あくまでツクモとの言葉を通じたコミュニケーションが主体であり、言葉を教えれば教えるほど深みを増していくタイトルであるが、数時間のプレイでも身近な存在として感じられそうな片りんは伺えた。少なくとも「女の子キャラクターものだから……」、「合成音声だから……」といって距離を置くにはもったいないと感じる意欲作だ。
本配信に先駆け、事前にソフトの大部分をダウンロードしておくことができる「あらかじめダウンロード」をすでに開始。また、特別衣装を含めたダウンロードコンテンツやサントラCDなどのグッズをまとめた限定版となる「コレクターズ・パッケージ」も用意されており、数量限定で配信日と同日に発売する。
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