準グランプリには、フェニックスソリューションの「世界初!金属の裏側からでも読み取り可能なRFID」が選ばれた。これまで金属越しでは不可能だったRFIDタグの読み取りを、汎用のRFIDリーダーでも可能にした特殊金属製のRFIDタグ。今まで自動化が進まなかった、金属製資材を多用する製造業や建設業などの物流、インフラ施設でもRFIDタグによる業務効率化が期待できる。この技術は世界初のもので、オープンプラットフォームで展開予定。短期で世界市場を席巻したいとしている。
同じく準グランプリには、ゼンリンの「ドローンの都市内安全飛行の実現に向けた空の3次元地図情報の実証プロジェクト」が選出された。これは、推奨飛行ルートや障害物などを含んだ「空の3次元地図」の作成、ドローンのプローブ情報(位置や速度といった飛行情報)の収集・解析によるルート離脱のリアルタイム把握など、有人地帯でのドローンの自動飛行を可能にする技術。最終目標である「都市部等の有人地帯での目視外飛行」を目指し、ドローンの基盤となる「誘導」「制御」「管制分野」での世界標準を狙う。
審査員特別賞には、エクスメディオの「画像及び問診データによる眼科疾患識別技術」が選ばれた。画像や問診データから、眼科疾患の自動識別と診断支援を可能にするAIを開発。スマートフォンアプリ「メミルちゃん」に実装することで、離島・僻地・被災地といった非眼科医が眼科診断しなければならないシーンにおいての、誤診発生率を抑える。同社はすでに皮膚科疾患向けの自動識別AIを開発中で、この技術の眼科疾患への適用を目指している。
経済産業大臣政務官の星野剛士氏は、「2016年2月に藤沢市で自動運転車が公道を走った。1カ月、2カ月前の非常識が今日の常識になることを肌で感じた」とした上で、「政府も重い腰を上げるのに1年も2年もかかっているようでは、急激な変化についていけない。IoT推進ラボは、官民一体となりスピード感をもって変革に取り組むよう全力で進める」と述べた。
また、IoT推進ラボ座長で経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦氏は、「第1回と比較して、質・量ともにレベルが上がっている」としつつも、「こうしたスタートアップアクセラレーターのグランプリを取った企業があとで大成することは意外と少ない。油断せず、ここからがスタートだと思って欲しい」と受賞企業にエールを送った。
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