また最近では、自宅で業務をこなすテレワークが広まってきており、米国では既に80%以上の企業がテレワークを採用する。特に20代は時間にとらわれない柔軟性の高い働き方を求めているとのこと。それゆえテレワークを提供していないことが原因で会社を辞めるケースも増えているようだ。
これらの背景から、村上氏は「柔軟に仕事ができ、なおかつ生産性を高めることが求められている」と話す。そうしたことからHPでは、デバイスのパワーが向上したモバイルデバイスを活用。スマートフォンを中心として持ち歩くデバイス数を減らしつつ、クラウドとモバイルを連携し同じ環境を用いて仕事ができることを重視した、次世代のモバイルコンピューティングのあり方を検討してきたとのことだ。
そうして開発されたのがHP Elite x3だと村上氏は話す。「これまで環境に合わせてデバイスを選んできたが、これからはデバイスが人に合わせて近づいていく」(村上氏)ことから、HPはContinuumによって、移動中やオフィスなど環境に合わせて活用できることが、HP Elite x3の大きなメリットになると考えているようだ。
続いて会場では、HP Elite x3を活用した3つのシチュエーションによるデモを実施。電車中の利用を想定したデモでは、虹彩認証でロック解除できる点や、Outlookでメールを受信し、PowerPointの資料を修正できるなど、単体でもOfficeアプリケーションを利用できることをアピールしていた。
カフェでの利用を想定したデモでは、ノートPC型の「ノートドック」に無線で接続することにより、Continuumで文書を書いたり、音声通話も同時に利用できたりする様子を紹介。ちなみにノートドックは12.5インチディスプレイを備え、ContinuumでWindows 10 Mobile端末に接続して利用する専用のデバイス。ストレージなどは一切備えていないが、無線だけでなく有線接続によるContinuumに対応しているとのこと。バッテリーは約1日持続する分の容量を備えているそうだが、その分やや重く、重量は1kg程度になるという。
そして3つ目のデモでは、オフィスに戻って、HP Elite x3を有線でモニタやキーボードに接続できる「デスクドック」に装着し、Continuumでデスクワークにも活用できる様子を紹介した。この際HP Elite x3側のアプリケーションではなく、HPが提供するクラウドを活用した仮想化ソリューション「HP Workspace」を用いることで、仮想デスクトップ上でWindowsの32bitアプリケーションを利用できる様子も紹介。HP Workspaceでは、Google Earthなどグラフィック性能が求められるアプリケーションもスムーズに動作させられることから、PCで作業するのと変わらない環境で、高い生産性を実現できるとのことだ。
なお、今回展示されたHP Elite x3やノートドックなどは、まだ最終決定したモデルではなく、今後何らかの変更がある可能性もあるとのこと。国内では法人を主としたSIMロックフリーでの販売のほか、KDDIがパートナーとなって法人向けに販売することが既に発表されている。正式な発売日や、価格などの詳細は近日中に発表されるとのことだが、関係者によると「iPhoneの価格を超えない程度の価格設定にしたい」とのことだ。
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