「Apple Music」レビュー(後編)--プレイリストやラジオなどの使用感とサービス全体の感想 - (page 4)

Sarah Mitroff (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年07月27日 07時30分

 ほとんどのプレイリスト(特にアクティビティに関連するプレイリスト)は、Newタブで少し時間をかけて探し回らなければ見つからないだろう。気に入ったプレイリストがあったら、「+」記号を押してライブラリに追加することを強くおすすめする。これでプレイリストがMy Musicセクションに保存されるので、後で探すのがずっと楽になる。iPadには専用の「Playlists」タブが用意されており、保存したプレイリストの閲覧や管理を行うことができる。ぜひiPhone版にもこのタブを採用してほしいものだ。

バグと問題点

 Apple Musicの動作は全体的に安定しているが、同アプリの問題点に関してさまざまな報告が上がっており、筆者自身もいくつかの問題を経験した。たとえば、プレイリストが重複する、パフォーマンスが低下する、音楽を再生できないといった問題だ。また、筆者のコンピュータのiTunesから「iCloud Music Library」に音楽をアップロードするときにも問題が発生した。こうしたバグや不具合は不定期に発生し、ただアプリを使うという体験に水を差してしまう。

 Apple MusicはiOSに組み込まれているため、Apple Musicの問題の修正や機能の変更を行うには、iOSのアップデートをリリースしなければならないだろう。OSアップデートのダウンロードとインストールは、単にアプリをアップデートするより面倒だ。「Android」では事情が異なる。Apple Musicは「Google Play」からダウンロードとアップデートができるスタンドアロンアプリとして提供されるからだ。

結論

 Apple Musicをテストし、さまざまなことを試してみて、筆者は感動すると同時に複雑な気持ちになった。まず長所としては、巨大なミュージックカタログを有しており、筆者が聴きたいと思う楽曲がほとんど網羅されている。アルゴリズムと人間の音楽エキスパートを活用するレコメンデーションシステムは、おすすめ楽曲の選定も、ユーザーのフィードバックへの対応も見事にこなす。筆者のiTunesの音楽は、何年も前にストリーミングサービスに乗り換えて以来ずっと放置していたが、またすべて利用できるようになった。

 その一方で、アプリのデザイン、特にiPhone版のデザインは複雑で雑然としており、操作しにくい。一部の項目には情報を詰め込み過ぎているのに、十分な情報がない項目もある。また、メニューのオプションがあまりに多く、圧倒されてしまう。iCloud Music Libraryに関連する問題、音楽を再生できなくなる問題、パフォーマンスが低下する問題など、さまざまなバグも同アプリに悪影響を及ぼしている。

 何よりも、Apple MusicはSpotifyなどの競合音楽サービスに比べて、使い方を覚えるのに時間がかかる。そのため、巨大なカタログがあり、デザインが分かりやすく、機能が豊富なSpotifyを、Apple Musicよりおすすめしたい。少なくとも、AppleがApple Musicを変更して体験を向上させるまでは、Spotifyをおすすめする。

 とはいえ、興味のある人はApple Musicの3カ月無料トライアルに登録して、自分で試してみよう。失うものは何もないし、Apple Musicが最終的に自分に合うサービスかどうか確かめる機会を得られる。

すべてのジャンルやアクティビティ向けのプレイリストが用意されている。
すべてのジャンルやアクティビティ向けのプレイリストが用意されている。
提供:James Martin/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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