積み重ねた歴史の集大成--アイマス9周年記念ライブツアー東京公演が開催 - (page 2)

 後半戦のソロパートは沼倉さんから開始。ここ最近の定番曲である「Rebellion」でダンサブルなステージを披露。印象的だったのは、4日で披露した、響としての初めての曲である961プロの楽曲「オーバーマスター」や、「アイドルマスター2」の持ち歌とされながらライブで披露する機会があまりなかった「shiny smile」。特にshiny smileは沼倉さん自身も待ち望んでいたようで、文字通りの満面の笑顔で歌い上げていた。

 釘宮さんは両日とも、特にお気に入りという「キミはメロディ」を皮切りにポップな曲やしっとりと聴かせる曲を披露。伊織のイメージカラーであるピンクがサイリウムで彩られるだけではなく、雰囲気や空気感そのものもピンクをイメージさせるかわいらしさで染め上げていた。また5日には予定にはなかった“伊織様のお言葉”を繰り出す大サービスで、そんなご褒美に会場中が「ありがとう」と応えていた。

  • ダンサブルなステージで魅了することの多い沼倉さんだが、5日に披露した「しあわせのレシピ」では、お玉を持ってハートマークを作るなど、家庭的でかわいらしい響を表現

  • 残されたままのTOKYOボードを使って「しあわせのレシピ」にちなんだ「しあわせのTOKYO」で笑いを誘っていた

  • トークも歌声も独特の空気感を作り出す釘宮さん。「フタリの記憶」(4日)、「my song」(5日)は、心に染み渡るようにしっとり歌い上げた

 原さんはオーバーマスターのカップリング曲として収録されている「KisS」を4日に披露。貴音としてのはじまりの曲かつ、歌うのはそのCD発売記念イベント以来ということで、沼倉さんや星井美希役の長谷川明子さんとともに練習に励んだという、当時のことを振り返っていた。そのほか「風花」や新曲の「ふたつの月」といった季節感を感じさせる曲をしっとりと歌い上げていた。

 ソロパートのトリを務めたのは今井さん。「Blue Symphony」(4日)「Fate of the World」(5日)で熱い千早を表現したあとはバラード曲を展開。4日は座って聴くことを促し「眠り姫」や「蒼い鳥 (M@STER VERSION) ~TV ARRANGE~」を披露し、その声に聴き入っていた。また5日は「蒼い鳥 (M@STER VERSION) 」から、テレビアニメ版でも象徴的な挿入歌となっていた「約束」を披露。途中からは出演者全員が登場し一緒に歌う流れになったとき、今井さんが感きわまってしまう一幕も。それでも最後はしっかりと声を響かせて歌い上げると、大きな拍手が巻き起こっていた。

  • トークではどこかふわふわした印象がある原さんも、歌となると雰囲気が一変。ミステリアスな貴音をほうふつとさせる歌声を響かせていた

  • ソロパートのトリを務めた今井さん。4日と5日で違うアレンジながら、アーケード版の初期楽曲「青い鳥」を披露。その歌声は、積み上げた9年の重みを感じるほどだった

  • 5日で披露された「約束」では、途中から出演者が登場し感極まった今井さんを7人がフォローして歌うというシーンも

 ツアーのラストの締めくくるのは、ライブツアーの名称にもなっており、劇場版の主題歌になっている「M@STERPIECE」、さらにアンコールではツアーに出演していなかったキャスト陣がアンコールを先導するムービーが上映。そして東京公演がライブ初披露となった劇場版エンディングテーマの「虹色ミラクル」、そして9年間変わらずに歌われ続けた「THE IDOLM@STER」で締めくくった。

  • 場内が一体となったクラップが印象的な「M@STERPIECE」

  • 東京公演初披露となった「虹色ミラクル」。4日には滝田さんも参加

  • ライブの締めくくりは「THE IDOLM@STER」。5日には茅原さんも参加して一緒に歌い上げた

 出演者数が過去最大規模で行われた2月の冬季ライブとは一転、ソーシャルゲーム「シンデレラガールズ」「ミリオンライブ!」からのゲストもなく、今回は765プロキャスト陣のみのライブツアー。また、これまでの周年記念ライブでは何らかの新展開を発表することが多かったが、今回はその発表もなかった。とはいえ、それで物足りないと感じた人はおそらくいないだろう。それぐらいに積み重ねた9年間の軌跡と集大成を感じられる内容となっていた。

 すでにゲームだけではなく多方面に展開され派生作品もあり、あらゆるところにコンテンツとしての入口があるアイドルマスターのどこに魅力を感じるかは人それぞれ。また人気があると感じるところも人それぞれで正解のないものではあるが、興味を持った先の集約点にライブがあり、そこでより魅了される。そして送った声援によってキャスト陣がさらに高いパフォーマンスを発揮する。そんなサイクルが長年続いているからこその今があるのではと、今回のライブを見て改めて感じている。

  • ライブの締めくくりとして恒例となっている「これからも、アイマスですよアイマス!」

 5日の最後のあいさつのなかで、釘宮さんが役者でありながらアイドルをここまでみじかに感じて過ごすと思っていなかったと語っていたことや、中村さんが天海春香役ということを言い続けらたこと、この先も言い続けられることのうれしさを語っていたように、アイドルのキャラクターを背負ってステージに立つキャスト陣。そこから通してみるキャラクターとしての物語と、個人としての積み上げた歴史。デジタル世界で生まれたコンテンツでも、輝かせるのは、やはり“人”だと思った次第だ。

 イベントで歌を歌うことから始まり、ライブスペースでの本格的なライブになりアリーナレベルの会場や全国ツアーを実施するまでに至ったが、ライブ展開から始まってから思うことは、すごいと感じられることと、終わった後に見て良かったと思えること。そしてこの2つがいつも通りにあること。感想としてはシンプルではあるが、とてもハードルの高いことを毎回見せてくれるところに魅了されるのかもしれない。

 今回の集大成の先にある2015年には10周年を迎える。すでに2015年1月からシンデレラガールズのテレビアニメ放送は決まっているが、節目となる年に派生作品も含めてどう展開していくかに注目だ。

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