サムスン、LG、Motorolaなどのモバイルデバイスメーカーや、台湾のPCメーカーASUSからは、すでにスマートウォッチとフィットネスバンドが登場している。Fossilのような老舗の時計メーカーも、この流れに加わりつつある。世界最大のコンピュータチップメーカーであるIntelさえ、ぜいたくに宝石をちりばめたスマートブレスレット「MICA」を先ごろ発表した。MICAは2014年に1000ドル未満で発売される予定だ。
スマートフォンとタブレットのデザインをめぐってAppleとの訴訟が続いているサムスンは、この1年間で6機種のスマートウォッチを投入し、ウェアラブル市場のあり方を定義してきた。そのデバイスには、独自の3G通信機能を備える(そのため、スマートフォンやタブレットと組み合わせる必要がない)スマートウォッチの「Gear S」や、フィットネスバンド「Gear Fit」などがある。また、「Gear Live」では、Googleの新しいモバイルデバイス向けソフトウェア「Android Wear」が稼働する。
これまでのところ、購入した消費者は少ない。Kantar Worldpanel ComTechの調査によると、米国、欧州、中国、日本、オーストラリアでスマートウォッチを所有している消費者は1%未満、つまり0.81%にすぎないという。同調査会社は、全世界のスマートウォッチ所有者で見たシェアは、サムスンの端末が51%、ソニーが17%、「Pebble」スマートウォッチが6%としている。
デジタル音楽プレーヤー、スマートフォン、タブレットのいずれも商品化したのはAppleが初めてではなかったことを考えれば、同じことを今回も成し遂げるチャンスがAppleにはある。マストアイテムと言えるほど使いやすく、洗練された端末に仕上げるということだ。それこそが、不格好でかさばる、魅力に乏しいデザインを繰り返してきた競合他社が、スマートウォッチで達成できなかった点である。フィットネストラッキングや通知など、快適ではあっても不可欠というほどではない機能しか提供してこなかったからだ。
「Appleが提供するウェアラブルがぜいたく品ではなく必需品であるということを実証できるかどうかは、同社の双肩にかかっている」。こう語るのは、ボストンに本拠を置き、Appleに投資している企業Loomis, Sayles & Coでテクノロジ株アナリスト兼ポートフォリオマネージャーを務めるTony Ursillo氏だ。ほとんどのスマートウォッチは「今のところ、ぜいたく品程度の機能しかない。(通知や類似の機能のために)ヘルスバンドやスマートウォッチを多数のユーザーに買わせることはできないだろう」
Appleのウェアラブルについて実際の情報は少ないが、憶測はいろいろと飛び交っている。Cook氏がウェアラブル市場について言及したのは、2013年に開催された業界カンファレンスの場だけで、当時は魅力的なウェアラブル端末はどの会社からもまだ出てきていない、というのが同氏の見解だった。Cook氏はこう語っている。「この市場にはすでに多くのガジェットがあるが、真に素晴らしいものはない。この分野では解決しなければならないことが山ほどある。今こそ探究のときだ」。Appleの取り組みについてCook氏が唯一匂わせたのは、スマートメガネを否定して「腕時計型のほうがおもしろそうだし、手首は自然だ」と発言したことくらいだ。
Apple観測筋によると、Appleはその端末をスマートウォッチというより、ライフスタイルにシームレスに溶け込むウェアラブル技術として位置付ける可能性が高いという。
NFCチップが搭載されれば、対応するレジでPOS端末にウェアラブル端末をかざすだけで買い物ができるようになる。NFCチップはiPhone 6にも搭載される可能性があり、ウェアラブル端末とiPhoneをさらに組み合わせやすくなる。
iWatchには、健康を中心とした機能も搭載される可能性が高い。それは6月の開発者向けカンファレンスでAppleが公開した「HealthKit」ソフトウェアによってサポートされると見られる。このソフトウェアは、ユーザーによる健康関連データの追跡を可能にし、その情報のハブとして機能する。常に身に着ける端末は、HealthKitが約束する機能全体にうまく適合するだろう。
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