それが意図的なものかどうかに関係なく、ニューヨークのマネジメントコンサルタント会社EtonianのテクノロジプリンシパルOri Neidich氏が述べたように、Vineの動画を見る最高の方法はループ再生で何度も視聴することだ。その効果をうまく利用すると、一度だけ再生する場合より深みのあるストーリーを伝えられる。例えば、Ian Padgham氏はVineを非常に巧みに使って、車が往来する通りの風景を、Padgham氏がおもちゃの車で遊んでいるように見えるシーンに変えている。
一方、Instagramのツールでは、動画の長さが計15秒に達するまで録画の開始と停止を行うことができるが、ループ再生はできない。だからといって、エンターテインメント性の高い用途や、巧みな利用法が出てこないというわけではない。Vineとは異なるというだけのことだ。SlidelyのマーケティングディレクターであるAmit Lavi氏は、「結局のところ、肝心なのはストーリーだ。6秒で伝えられるストーリーもあるが、そのためには正確なメッセージと脚本を計画し、はっきりと表現する必要がある。15秒というのは、あらゆる人が非常に簡潔にストーリーを伝えるのに理想的な時間だ」と述べた。
マーケッターはVineに群がっている。ループ再生されるストップモーションというスタイルは、いかにも広告という印象を与えることなく、楽しくて興味深く、奇抜な広告の作成を可能にすると気づいたからだ。Twitterが同社の主な収益源である広告フラットフォームの強化に全力で取り組んでいることを考えると、予想されている新規株式公開(IPO)を前にして、これは大いに歓迎すべき展開だ。Facebookがそうしたマーケティング面での成功を、Instagram動画やInstagramの巨大なユーザーベース、Facebookとの統合、そしてもちろん、先日のハッシュタグ導入によって再現したいと考えても不思議はない。そうした可能性に反論するのは困難だ。
その点に関しては、VineとInstagramがライバルであることは間違いない。どちらが勝者かを判断する1つの方法は、ソーシャル動画の広告に関して、どちらが多くの売上高シェアを獲得したかを確認することだ。
Instagramの動画が公開されてから同ツールとVineに大きな注目が集まったが、選択できる短編動画サービスはほかにもたくさんある、ということは留意しておく価値がある。もちろん、Instagramのように9桁のユーザーベースが自動的についてくるサービスはほかにない。
とはいえ、TwitterとFacebookの短編動画サービスはメディアで大々的に取り上げられたが、いずれもこの分野の先駆者ではなかった。動画共有サービスToutの最高経営責任者(CEO)であるMichael Downing氏は、「数年前にわれわれが開発した機能とフォームファクタの組み合わせはこれまで成果を上げてきたが、TwitterやFacebookがそれと同種のものに照準を合わせる決断を下したことをある意味においてうれしく思う」と述べた。
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