新「Mac Pro」の第一印象--「Thunderbolt」で外部拡張性重視のプロ用マシン - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年06月13日 11時45分

 筆者は、従来のアーキテクチャからの転換について、ほかの2つの点にも強い印象を受けた。

  • 新しいMac Proは、熱負荷をCPUやGPUのホットスポットに集中させるのではなく、システム全体により均等に分散させる「ユニファイドサーマルコア」を採用している。それは、冷たい空気が前面から背面に流れる従来の設計ではなく、下から上へと流れる設計を採用している。これは、熱が上昇することを考えれば賢い方法だが、マシンをデスクの下に置いている場合には、この空気の流れのせいで、このマシンにほこりがたまってしまうことがなければいいと思う。
  • このマシンにはSSDが搭載予定だが、その接続方法は、現在のコンピュータで一般的な方法とは異なっている。ハードドライブ向けに設計されたSATAインターフェースを用いる代わりに、PCIeインターフェースに直接的に接続することによって、ステップを1段階省いている。

 このマシンに搭載されるプロセッサは1台だが、搭載されるのは、最大12コアの構成が可能なIntelの「Xeon E5」という、最高のプロセッサになる予定だ。

 こうしたThunderbolt中心のアーキテクチャを作り出すことは、Mac Proのユーザーにとってはプラスとマイナスの両面がある。プラスの面としては、ユーザーは、より大型のMac Proに使われている余分な金属薄板の代金を支払う必要がない。さらに、コンパクトなキャニスター型は、あらゆるポートへのアクセスのしやすさを考えれば、デスクの下ではなく上のほうが置きやすい。

 しかし、たくさんの周辺機器を接続する必要があるユーザーの場合、新しいMac Proの洗練された外観はあっという間に失われるだろう。DVDドライブ、写真編集用のスクラッチディスク、バックアップディスク、容量の大きなビデオプロジェクトへの高速アクセスを可能にするストレージアレイなどを接続していけば、ふぞろいの電子機器が混在した山積み状態になる。

 拡張性をシステム外部に移すのは、これまでもMacシリーズでは定常的な傾向だった。1980年代に「Macintosh II」が内部拡張ポートをこの製品ファミリに導入したものの、Appleはそのアプローチを避けることが多かった。Appleが1980年代と1990年代に、周辺機器のデイジーチェーン接続にSCSI接続を採用し、後にIEEE 1394、いわゆる「FireWire」を推進したのは偶然ではない。

 そう考えると、新しいMac Proは、見た目は違うかもしれないが、実際には転換というよりも、Appleの価値観への回帰である。

新しいMac Proは、本体の下から上へと向かう空気の流れを利用する。このデザインでは、上部にあるリング部分に排気口が設けられている。
新しいMac Proは、本体の下から上へと向かう空気の流れを利用する。このデザインでは、上部にあるリング部分に排気口が設けられている。
提供:James Martin/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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