筆者は、従来のアーキテクチャからの転換について、ほかの2つの点にも強い印象を受けた。
このマシンに搭載されるプロセッサは1台だが、搭載されるのは、最大12コアの構成が可能なIntelの「Xeon E5」という、最高のプロセッサになる予定だ。
こうしたThunderbolt中心のアーキテクチャを作り出すことは、Mac Proのユーザーにとってはプラスとマイナスの両面がある。プラスの面としては、ユーザーは、より大型のMac Proに使われている余分な金属薄板の代金を支払う必要がない。さらに、コンパクトなキャニスター型は、あらゆるポートへのアクセスのしやすさを考えれば、デスクの下ではなく上のほうが置きやすい。
しかし、たくさんの周辺機器を接続する必要があるユーザーの場合、新しいMac Proの洗練された外観はあっという間に失われるだろう。DVDドライブ、写真編集用のスクラッチディスク、バックアップディスク、容量の大きなビデオプロジェクトへの高速アクセスを可能にするストレージアレイなどを接続していけば、ふぞろいの電子機器が混在した山積み状態になる。
拡張性をシステム外部に移すのは、これまでもMacシリーズでは定常的な傾向だった。1980年代に「Macintosh II」が内部拡張ポートをこの製品ファミリに導入したものの、Appleはそのアプローチを避けることが多かった。Appleが1980年代と1990年代に、周辺機器のデイジーチェーン接続にSCSI接続を採用し、後にIEEE 1394、いわゆる「FireWire」を推進したのは偶然ではない。
そう考えると、新しいMac Proは、見た目は違うかもしれないが、実際には転換というよりも、Appleの価値観への回帰である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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