横幅149mmへの挑戦--超小型コンポ「NANOCOMPO」誕生に見た東和電子のこだわり - (page 3)

イノベーションがあるから実現できた超小型コンポ

--単品コンポの横幅は長い間430mmでした。それが今後変わっていくのでしょうか。

  • SCDS(Super Charged Drive System)の仕組み

 もちろんオーディオラックの中にCDプレーヤーやアンプを設置して、オーディオを楽しんでいる人はいます。ただ残念ながら現在では、それは一部の人に限られてきてしまっているのではないかと思います。現在小型のスピーカがたくさん発売されていますが、ピアノフィニッシュだったり、木目だったりとインテリアの一部になりやすいデザインが多い。430mmの単品コンポはそのサイズ感やデザイン性から、今の自宅のインテリアにそぐわないと感じる人が多くなっているのではないでしょうか。

 そうした人に向け、もう一度リビングにおけるオーディオとして作ったのがNANOCOMPOです。一部横幅を半分程度に抑えた単品コンポも販売されていますが、それは少しずつ部品を小さくして、小型化したものです。NANOCOMPOは小さくする努力に加えてSCDSというイノベーションがあったからこそ小さくできた単品コンポなのです。

--モデルデザインを2012年の開発発表時から大きく変更されましたね。

  • 写真上が開発発表時のデザイン、下がブラッシュアップされた新デザイン

 変更するつもりはなかったのですが、開発品を販売店や評論家の先生方に見せると、小さいことには驚いて下さるのですが、デザインについてはそれほど高評価をいただけていないように感じたのです。「悪くはないけど、平凡」「高級感にかける」といったご意見が多く、言われてみると「そうだな」と。ダメなデザインではなかったのですが、すごい褒めていただいたという印象もなくて、せっかくなのでやり直すことにしました。

 金型同様デザインも踏襲していきますので、納得のいく良いものを仕上げたかったのです。皆さんがおっしゃる高級感や非凡なデザインはどういうものなのか、社内でもかなり検討しましたし、実際100万円以上のハイエンドオーディオを見ながら研究しました。

  • 見られる事を考えてデザインされたリアパネル

 そうした結果、文字を極力抑えて、カラーリングもパールを多く含んだホワイトに変更。細かい部分ですと、電源ボタンなどもC面(角部分だけを落とした面のこと)の削り具合を変えています。一番大きく変わったのはリアパネルで、カラーリングを赤に変更し、裏側を見ても美しいというデザインに仕上げました。

 実はC面の削り度合いを深くすることで、立体感が出てくるのですが、以前の設計ではそれほど深く削ることができなかったのです。そこでアルミダイキャストの厚みを2mmから3mmに変え、内部構造もすべて1mm動かしました。

 こうした積み重ねによってデザインを大きく変え、再度みなさんに見ていただいたところ、かなり好評をいただくことができました。リアパネルは従来の単品コンポでしたら変更する必要はなかったと思いますが、NANOCOMPOは小さいがゆえに背面もよく見えてしまう。リビングに置けるオーディオというコンセプトからも赤に変更してよかったと思います。

 最初からこのデザインに仕上げられればよかったんのですが、社外の人の意見を聞くまでは気づきませんでした。このデザイン変更をするために発売も4月へと2カ月後ろ倒しにしています。

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