ブルームバーグがLinkedInを買収するべきではない理由--買収額と効果の問題 - (page 2)

Ben Parr (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年12月14日 07時30分

 つまり金額が折り合わないということだ。ReutersのSalmon記者でさえこの結論に達し、代わりにBloombergは、LinkedInに対抗するために独自のソーシャルネットワークを構築すべきだと提案している。それはBloombergがLinkedInを買収する以上に悪い考えだと筆者は思う。非常に評判の良い競争相手がいる時にソーシャルネットワークをゼロから構築するには、資源をそちらに振り向けなければならず、現金を流出させることになり、ほぼ間違いなく失敗に終わる。

相乗効果の不足

 企業が買収に踏み切る時には、買収と親会社の間の相乗効果を狙っていることが多い。FacebookがInstagramを買収したことには、非常に納得がいく。Facebookはモバイルにより深く踏み込む必要があるし、写真はFacebookでも一番エンゲージメントの多い機能だ。

 しかし、LinkedInはそもそもBloombergのメディア事業や金融データ事業で役に立つだろうか。本格的なトレーダーや金融業界の人々は、自分がつながっている人々の情報を必要とはしない。彼らが求めているのは、より賢明な取引の判断を下すための、できるだけ新しい金融ニュースや株価情報だ。LinkedInは、そうした人々が取引の際に賢明な判断を下す助けにはならない。

 LinkedInが数十億ドル規模の買収を妥当だと思わせるような形で、Bloombergのメディア事業を助けることもない。LinkedInとBloomberg傘下のいずれかのメディア企業との統合であれば、パートナーシップによって実現可能であり、その方が費用ははるかに少なく、運営が簡単である。

 LinkedInに関して言えば、同社のリーチは既にBloombergよりも大きく、対象としているのもBloombergの中心的な顧客ベースであるデイトレーダーではなく、一般的な専門職の人々である。BloombergがどのようにLinkedInの役に立つのかは分からない。したがってLinkedInが、メディア界と金融界の大手企業からの買収提案を受け入れたがっているとも筆者には思えない。

 BloombergがLinkedInを買収するなどばかげたことだ。そこに相乗効果はないし、費用がかかりすぎる。だから憶測はやめよう。そのようなことは起こらないし、起こるべきでもない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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