続いてヘッドホンを取り出す。手で持ってみるとほどよい重量感があり、見た目は弾丸のようでもある。高剛性ステンレス素材を切削加工した専用設計の「メタルエンクロージャー(音響筐体)」が醸し出す風合いが、音への期待を高めてくれる。
このエンクロージャにドライバを直接固定させた新機構「ダイレクトトップマウント構造」は、これまでの「トップマウント構造」を進化させたもの。ドライバユニットまでを一体型することで、音響性能の向上だけでなく、外部ノイズ対策と音漏れ低減を実現。さらに「HA-FXD80」では、比重の大きいブラスリングを内蔵した「デュアルシリンダー構造」も採用されている。
単体でも不要な振動を抑制可能な「メタルエンクロージャー」の効果をより高めることで、クリアな音質を追求している。
マイクロHDユニットも進化。「FXC」シリーズの第2世代モデル「HA-FXC71/51」で採用された「カーボン振動板」を発展させる形で、高剛性かつ軽量化を求め、新たに「カーボンナノチューブ振動板」を採用。応答性に優れ、緻密な音の表現まで可能にしている。なおこの振動板は、既発売のツインシステムユニットモデル「HA-FXT90」にも使われており、今回のものは「HA-FXD80」用に専用チューニングが施されている。まさに2つのシリーズの“いいとこ”取りをしたモデルとなっている。
内部構造以外にも、外部ノイズを排除する工夫が盛り込まれている。ダイレクトトップマウント構造で得られる快適な装着感で遮音性が保たれるだけでなく、コードのタッチノイズを低減する「制振フィットブッシング」を採用。ハウジングへとつながるブッシュ部分に制振効果のあるゴム素材を用い、大きくS字に形状させることでコードのこすれ音を抑制する。
体感に個人差はあるものの、実際に電車のラッシュアワーで使用しても確かにタッチノイズは気にならず快適な試聴ができた。細やかな配慮もうれしい限りだ。
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