独自の発想と技術力で存在感を放つ--JVCケンウッド「HA-FXD80」 - (page 2)

外部形状から内部構造までブラッシュアップ

 続いてヘッドホンを取り出す。手で持ってみるとほどよい重量感があり、見た目は弾丸のようでもある。高剛性ステンレス素材を切削加工した専用設計の「メタルエンクロージャー(音響筐体)」が醸し出す風合いが、音への期待を高めてくれる。

 このエンクロージャにドライバを直接固定させた新機構「ダイレクトトップマウント構造」は、これまでの「トップマウント構造」を進化させたもの。ドライバユニットまでを一体型することで、音響性能の向上だけでなく、外部ノイズ対策と音漏れ低減を実現。さらに「HA-FXD80」では、比重の大きいブラスリングを内蔵した「デュアルシリンダー構造」も採用されている。

 単体でも不要な振動を抑制可能な「メタルエンクロージャー」の効果をより高めることで、クリアな音質を追求している。

 マイクロHDユニットも進化。「FXC」シリーズの第2世代モデル「HA-FXC71/51」で採用された「カーボン振動板」を発展させる形で、高剛性かつ軽量化を求め、新たに「カーボンナノチューブ振動板」を採用。応答性に優れ、緻密な音の表現まで可能にしている。なおこの振動板は、既発売のツインシステムユニットモデル「HA-FXT90」にも使われており、今回のものは「HA-FXD80」用に専用チューニングが施されている。まさに2つのシリーズの“いいとこ”取りをしたモデルとなっている。

  • イヤピースを外した写真。音が出る部分は一体型ユニットの先端にある

  • 「HA-FXD80」の内部。進化を遂げた構造や新素材を一体化し高解像度サウンドを創り出す

  • “メタルエンクロージャー”に直接ドライバーユニットを固定した「ダイレクトトップマウント構造」を採用

  • 「HA-FXD80」の内部。進化を遂げた構造や新素材を一体化し高解像度サウンドを創り出す

タッチノイズも低減する、効果絶大の新形状

 内部構造以外にも、外部ノイズを排除する工夫が盛り込まれている。ダイレクトトップマウント構造で得られる快適な装着感で遮音性が保たれるだけでなく、コードのタッチノイズを低減する「制振フィットブッシング」を採用。ハウジングへとつながるブッシュ部分に制振効果のあるゴム素材を用い、大きくS字に形状させることでコードのこすれ音を抑制する。

 体感に個人差はあるものの、実際に電車のラッシュアワーで使用しても確かにタッチノイズは気にならず快適な試聴ができた。細やかな配慮もうれしい限りだ。

  • コードの揺れがハウジングに伝わりにくいため、ノイズ低減効果は絶大

  • 自分にちょうどいい長さに調節できるコードキーパーと、コードのぶらつきを抑えるクリップを併用すれば、タッチノイズもより軽減される

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