MozillaのAsa Dotzler氏による、分かりやすいFirefoxリリーススケジュールによれば、「Firefox 11」のベータ版は1月31日に公開の予定だ。Firefox 11は3月13日に最終版となり、同時に「Firefox 12」ベータ版での開発がスタートする。
6週間というのは、大方の基準としてはそれほど長い間隔ではない。ただ、ここで基準となるのは普通の時間ではない。コンピュータ業界は、恐ろしいほどのスピードで変化し続けており、その原動力となっているのが、Appleの「iOS」搭載デバイスの並外れた販売実績だ。2011年第4四半期には、Appleは「iPhone」を3700万台、「iPad」を1500万台販売している。
別の言い方をすれば、直前の四半期のペースで考えると、6週間の間に約2600万台のiPhoneとiPadが売れたことになる。
そして、そのどちらでもFirefoxを実行することはできない。それは、Appleが同社の組み込みブラウザエンジン「WebKit」を使用するブラウザしか許可していないからであり、同社独自のブラウザ「Safari」は、世界中で最も広く使われているモバイルブラウザとなっている。しかし、Android搭載スマートフォンの販売も好調で、Mozillaがモバイル分野で影響力を強めるためにはAndroidが最良の選択だ。
Mozillaにとって、ブラウザは目標達成のための手段だ。非営利組織であるMozillaは、ブラウザ(そしてそのほかのテクノロジ)を使って、ウェブのオープン性を維持し、ユーザーがインターネットを使うときに自分のデータを管理できるようにしようと試みている。そのため、モバイルブラウザの分野で主流から大きく外れれば、Mozillaは影響力を及ぼすための手段を失う危険にさらされる。
Mozillaでは、「Boot to Gecko」(B2G)と呼ばれる、モバイル分野での別の取り組みも進行中だ。「Gecko」はFirefoxの基盤となるエンジンの名前であり、B2Gは、ブラウザベースのモバイルOSを開発するプロジェクトである。
B2Gに弾みが付けば、Mozillaは自分たちの計画を実行する新たなメカニズムを得られる。しかし、Mozillaが大きなスポンサーを見つけない限り、B2Gを具体的な形で実際にスタートする方法は見えてこない。モバイルOSの世界はiOSとAndroidが支配しており、今のところほかのOSが入り込む余地はあまりない。
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