米ヤフー共同創設者J・ヤン氏の辞任--評価されるべき功績を考える - (page 2)

Charles Cooper (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年01月20日 07時30分

 Yahooは、最近では流行に敏感な人々からは好かれていないかもしれないが、同社が今もかなり多くのユーザーを集めていることは忘れるべきでない。例えば、comScoreによれば、Yahooは米国内で、2011年12月も33億回の検索回数を計上しており、これは1位のGoogleに次いで2位だという。毎月約7億人のユーザーが同社のさまざまなウェブサイトを訪問しており、特にファイナンス、スポーツ、ニュース、電子メールの分野での存在感は大きい。

 Yahooの古くからのビジネスは刺激を必要とし続けているが、残念ながら、Yang氏は「Chief Yahoo」としても同社のCEOとしても、そうした刺激を与えることができなかった。前述のcomScoreのランキングでは、ほかにも後退の兆しが見える。検索クエリ数では、Microsoftの「Bing」が初めてYahooをわずかに追い越したという(Yahooの14.5%に対して、Bingは15.1%)。動きの速いウェブベースアプリやモバイルデバイスの世界に居場所を見つけるのに苦労している老舗テクノロジ企業は、Yahooだけではない。しかし同社は、最も脆弱な企業の1社であり、CEOとして試行錯誤を重ねてきた、数名の非常に有能な重役たちにとっては、問題があまりにも大きすぎた。Yang氏もその1人である。

 Yang氏のCEO辞任につながる、あの困難な18カ月の間でさえ、筆者はYahoo従業員がYang氏個人の悪口を言うのを一度も聞いたことがない。一方、大口投資家の見方はあまり寛大ではなかった。ウォール街では、気立てのいいYang氏の振る舞いは軽べつの的となり、同氏は、Yahooに50%のプレミアムを支払うという、2008年2月のMicrosoftの提案を拒否したとして非難されている。Yang氏(とYahoo)は当時、未来は自分たちで掴めるものと考えていた。もちろんそれは、かつての世界が株の大暴落によって突然終わりを告げ、不況が続き、TwitterやFacebookといった新たな競合からの予期せぬプレッシャーを受けるようになるよりも、ずっと前のことだ。

 仕方のないことだった。それはすべて、Yang氏が残したものの一部だ。しかし、同氏が残したものの一部でしかない。振り返ってみると、過去は非常にはっきりしているように思える。われわれの多くの目をくらませていた同じ地平線を、Yang氏がきちんと見渡せなかったといって責めるのは簡単だが、不当な評価である。テクノロジ業界の伝説のパイオニアの功績を認めよう。これまでの成果は称賛に値するものだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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