「Wii」後継機発売を認めた任天堂--ゲーム業界への影響を考える - (page 4)

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年05月02日 07時30分

 任天堂は、現時点までに販売されたWiiの台数は世界全体で8600万台だと述べており、NPD Groupによると米国内では3533万台だという。これに対して、MicrosoftのXboxの販売台数は米国内では2678万台に過ぎず、ソニーのPS3はわずか1650万台だとNPDは述べている。世界全体では、ソニーは4月にPS3の販売台数が5000万台を超えたと発表しており、Microsoftは1月に5000万台に達したと発表している。

 しかしDennis氏は、Xboxは現在非常に好調で、2009年、2010年各年度で販売が増えており、2011年もそれが続き3年連続となりそうだと述べている。しかもこれには、2010年11月にリリースされてから1000万台以上販売されたKinect for Xbox 360コントローラの数字は含まれていない。

 ソニーも、今すぐPS3に取って代わる製品を必要とする状況に置かれてはいないと考えている。Sony Computer Entertainment of Americaの広報担当ディレクターDan Race氏は次のように述べる。「企業は、自社のゲーム機が技術的に陳腐化し、消費者にすばらしいエクスペリエンスを提供できなくなったときに新製品を投入するものだ。PS3は現在のところ、そのような課題に直面していない。それどころか、PS3は販売実績も市場シェアも増加傾向にあり、極めて好調だ」

 すると最終的にいえるのは、任天堂の次期ゲーム機の発表によってすぐにもたらされる影響は近い将来においてはごく限られたものだということだ。とはいえ、今後数年間、現行世代と同じような主導権争いが続くことは明らかだ。

 Microsoftとソニーにとって、競争は今後も、最高級のゲーム機が欲しいがお金はあまり使いたくないというWal-Martタイプのゲーム愛好者の獲得を巡るものになる。200ドルや250ドルで買えるXbox 360とPS3は、以前のように400ドル、500ドル、あるいは600ドルもするようになる次世代機と並べてみればなおさら、割安感のある製品だ。

 しかし任天堂がWiiの成功をもう1度味わうための最善の方法は、新機種のパワーを強化し、「マリオ」や「ゼルダの伝説」シリーズといった自社のファーストパーティゲームソフトで持っている大きな強みを活かすことだ、と観測筋は述べている。そして、当然のことながら、ゲーム愛好者たちが新しいゲーム機に300ドル以下の金額を払うのに慣れていることを願うことだ。

 「任天堂は(Microsoftとソニーが)次のレベルに進むことを選んだときに、誰もプレイしないことに賭けているのだと思う」(Pachter氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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