ロケーションバーとタブを同じ列に配置することの問題は、5つかそれ以上のタブを開くと、ロケーションバーとタブを1列に表示しようとして窮屈になり、ミニマリズム指向のインターフェースなら避けたいような状態になってしまうということだ。これでいいという人もいるだろうが、ロケーションバーが必要以上に短くされ、タブに使えるスペースも限られているため、あまり使い勝手はよくない(多くのタブを開かない人なら、気にならないかも知れない)。使っていると、すぐにタブを見分けることが難しくなってしまう。
この欠点を除いては、IEの新しいインターフェースは非常に使いやすい。中止ボタンと更新ボタンは小型化され、占める空間を最小限に抑えながら、十分目立つようになっている。これらのボタンはロケーションバー内の右側に配置され、同じバーの中に検索用のドロップダウンメニューのアイコンも置かれている。少し不思議なのは、Microsoftが他のブラウザのように、中止ボタンと更新ボタンを1つにまとめなかったことだ。そうすれば、ロケーションバーとタブバーで窮屈なスペースに、もう少し余裕を作れただろう。
IE9で基本に立ち戻ったのは、ロケーションバーだけではない。ポップアップブロッカーや、セッション回復の警告といった通知は、ブラウザウィンドウの下部に表示されるようになった。これは、通知が「注目を奪う」ことがないように設計されたもので、通知がブラウジングの邪魔にならないようにしている。Microsoftはこの目標をうまく達成したが、視線をブラウザの一番下まで引き下ろすことにもなり、これが煩わしいというのも事実だ。
印刷、拡大、セーフティなどの、コマンドバーのほとんどの項目は、再設計されたツールメニューにまとめられた。最上位のアイコンには、ツール、ホームボタン、お気に入りボタンしか残っていない。他のブラウザと同様に、ステータスバーはデフォルトでは隠されているが、タブバーを右クリックすれば、ステータスバーとコマンドバーを再表示することができる。
新しくなったツールメニューは非常に使いやすく、すっきりしてシンプルなレイアウトになっている。その一方で、インターネットオプションメニューは、非常に雑然としていて、読みにくくて項目も見つけにくいため、もっとフォントの調整や再整理をしてもよかった。
Firefoxファンは、IE9の「進む」ボタンより大きい「戻る」ボタンを見て、Firefoxの模倣だと喜ぶだろうが、ブラウザは1990年代からお互いにインターフェースのデザインを真似しあっている。どのブラウザがどのデザインを最初に導入したかという議論は意味がない。
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