ノキアとMSの提携--数々の不安要素と合併への可能性 - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年02月16日 07時30分

 両社はこの協力関係を通じて、モバイルアプリケーション、サービス、ソーシャルネットワーキング統合、「Xbox」製品ラインのゲームなどから、互いの売り上げを伸ばせるものと期待している。

 Microsoftはこれまでも多くの提携関係を結んできた。同社の中核のソフトウェア事業は、DellやHewlett-Packard(HP)といった主要パートナーとの強固な関係に根ざしている。また、同社は過去にモバイル市場での地盤を強化するために、ほかのハンドセットメーカーとの提携を試みたこともある。

 しかし、モバイル市場はPC市場とは異なる。そしてMicrosoftが、モバイルデバイスのハードウェアとソフトウェアの両方を所有するAppleのモデルに価値を見出していることは明らかだ。Microsoftは既にXboxによって、ハードウェア事業に積極的に取り組んでいく意志を示しており、同社がXboxを軸に構築したエコシステムは成功を収めている。

 とはいえ、MicrosoftがAppleの「iPod」に対抗して発売した「Zune」は、これまでのところXboxほどの成功を収めるには至っていない。このことからも分かるように、ハードウェアを一から作ることが常に最善の戦略だとは限らない。Microsoftにとってはハードウェアの買収でさえも簡単な道でないことは、2008年に「Sidekick」メーカーのDangerを買収した案件からも明らかだ。Danger買収の成果は「KIN」携帯電話だったが、Microsoftは市場への投入からわずか数カ月後にKINを打ち切り、「Windows Mobile 7」に注力するようになった。

 Microsoftは独自のハードウェア戦略を追求していたときも、ほかのモバイルハードウェアメーカーとの提携を模索し続けていた。2003年にはスマートフォンの開発でMotorolaと提携し、そこから「BlackBerry」キラーと目されたモデルが生まれた。最近では、2009年にLGと提携している。LGも、今では開発が中止されている「Windows Mobile」プラットフォームを自社の主要プラットフォームに採用することを計画していた。

 明らかにMicrosoftは以前にもこの道をほかの携帯電話メーカーと歩んでいたが、Ballmer氏は、Nokiaとの関係は「ユニーク」なものだと述べている。Elop氏も同じ考えで、NokiaとMicrosoftの幹部陣は既に共同で戦略のすり合わせに取り組んでいると説明した。

 Elop氏は、Nokiaが同社スマートフォン向け主要ソフトウェアとしてGoogleのAndroidの採用を検討していたことを認めた。しかしElop氏は、同氏とそのチームはエコシステムの開発を十分にコントロールできなくなることを恐れて、Androidの採用を見送ったとしている。Nokiaの資産が十分に評価されず、それによって最終的にNokiaの製品がありふれたものになってしまうと考えたのだと言う。

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