それでも、AppleのApp Storeに関するさまざまな数字は、反論のしようがないほど素晴らしい。2年前に開設された同ストアで公開されている25万種類のアプリケーションは、iPhoneと「iPod touch」「iPad」を含む約1億台のデバイスにアクセスすることが可能だ。
モバイル開発者がApp Storeに引き寄せられていることは、iPadが登場したときのことを考えればよく分かる。Appleは1月下旬、iPhone用アプリケーションはiPadでも動作するが、開発者はiPadの大きくなった画面にフィットするようにアプリを修正することを検討した方がいいかもしれないと述べた。その2カ月後に米国でiPadが発売されたとき、既に3000種類以上のiPad専用アプリケーションがサードパーティー開発者によって販売されていた。Appleの報告によると、その数は6月上旬には8500種類に達していたという。
しかし、これほどの記録を達成しているにもかかわらず、App StoreはAppleの貸借対照表上では、取るに足らないと言ってもいいほどの存在である。Appleが同ストアから得た推定1億8900万ドルの利益は、毎四半期20億〜30億ドルの利益を記録している同社にとって、微々たるものだ。しかし、iPhoneを勢いづけるのに最も貢献したのはApp Storeであり、その勢いによって、同デバイスはAppleの最も重要なビジネスになった。
全体的に見ると、AppleがApp Storeに関して行ってきた多くのことは正しかったが、次の25万種類のアプリケーションを呼び込むためには、いくつか課題が残っている。以下の事項について優先順位を付けることが、同社にとって有益となるかもしれない。
2010年のWorldwide Developers Conference(WWDC)で、Steve Jobs氏は開発者に対して、長い時間をかけて売り込みを行った。Jobs氏は、Appleがアプリケーションの販売を通して開発者に支払ったお金の総額(10億ドル)や、開発者が作ったアプリケーションを利用できるデバイスの台数(8月までに1億台に達する)、App Storeに登録されているクレジットカードの枚数(1億5000万枚)を、時間を割いて指摘した。
Jobs氏が競合プラットフォームに脅威を感じていることは明らかだ。Appleは最初から開発者に対してそれほどオープンではなく、同社がApp Storeの申請および承認プロセスについて公に言及するまでには、1年以上の歳月(とFCCの書簡)を要したが、最近は改善されてきている。そして、ここ数カ月、開発者からの不満の声は以前よりもはるかに少なくなった。
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