500年先も残り続ける--オペラ創業者らがウェブの未来を語る - (page 2)

新澤公介(編集部)2010年05月18日 08時00分

 Lie氏はウェブの未来について、500年先も残っているだろうと予測する。「適当に言っているわけではない」(Lie氏)と前置きした上で、1450年頃に活版印刷を発明したJohannes Gutenbergを引き合いに出した。Gutenbergが開発した活版印刷により新聞や書籍が広く普及するようになり、欧州だけでなく世界中に影響を与えたという。

Hakon Wium Lie Hakon Wium Lie氏

 「ウェブを何かと比較する場合、印刷機しかないと思う」とLie氏は述べており、「当時発明された印刷機をもとに改造が進み(今となっては)仕様などは理解できないものの、本の開き方やページといった概念は今でも理解できる」と説明。「500年後のウェブも同様に理解されているだろう」としている。

 また、独で書籍化されたウィキペディア「Das Wikipedia-Lexikon」について触れ、「情報は今、書籍からではなくウェブから発信されている。この書籍のマスターコピーはウェブであり、ウェブが社会を変化させている」と説明。「ウェブは今後、ますます重要なものになる。だから1つの会社がウェブを操作することは望んでいない。いくつかの組織や会社がウェブを管理する必要がある」と提言している。

 これらの実現に向けた方法の一つとして、次世代HTML仕様「HTML5」が大きな役割を果たすとしている。

ウェブの標準がなぜ必要か

 Lie氏は、「仮にある特定の会社だけがウェブ標準を進めた場合、ウェブサイトを閲覧するのにお金が発生していたかもしれない。ウェブ社会はオープンであることが重要」との見解を示している。

 Tetzchner氏もまた、「WWWの開発者であるTim Berners-Lee氏がある特定の企業に所属しており、企業ごとが各技術を使ってウェブを開発していた場合、今のようにウェブは広がらなかっただろう。複数の企業がウェブ技術を共有し、競争することでウェブは発展して行く」と述べている。

 Tetzchner氏は、「ベンダーはHTML5をウェブ標準の1つのツールとして、よりリッチでパワフルな開発環境を提供できるように進めている。ウェブ標準を使ってできないことはない」と強調する。

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