もちろん、画質を1つの五つ星評価にまとめれば、複雑な状況を過度に単純化することになるかもしれない。ただし、ほかにチャートも使用される。このチャートは例えば、携帯電話間での共有から壁に飾るための印刷まで、ますます要求が厳しくなっている役割を、人物やスポーツ、風景といったさまざまな写真の用途において、カメラがどれだけうまくこなすかを示している。
Touchard氏は講演の中で次のように語っている。「これは大いに議論を呼ぶことだ。カメラの品質をたった1つの数字にまとめることについては、ほとんどの人が、かなり危険だと言ったり、科学者としてやりたいことではないはずだと言ったりするだろう。しかし消費者にとってはおそらくよい考えだ」
携帯電話のカメラは、安価なコンパクトカメラと比べても画質が劣るし、人気が高まっている一眼レフカメラにははるかに劣る。機能が抑えられている理由の1つは、イメージセンサが小さいことだ。単純に、携帯電話カメラの小さなセンサでは、専用カメラの大きなセンサと同じだけの情報を記録するのは難しい。もう1つの理由は、それに応じてレンズも小さいことだ。厳しい製造公差の中で組み立てられなければならず、その一方で、極めて利幅の薄い大量消費市場において十分安価でなければならない。
しかし、フィルムの時代から写真愛好家の間で言われているように、最高のカメラは今自分が手にしているカメラである。そして、人々は常に携帯電話を持ち歩いている。
別の事実を加えてみよう。インターネット接続が多くの携帯電話に組み込まれていく中で、携帯電話の写真が、電子メールやFacebookなどの手段で電話機の外に出ることが多くなっている。米Yahooの写真共有サイト「Flickr」でiPhoneが最も多く使われているカメラであることは、偶然ではない。また最近のスマートフォンは、写真を共有する前に洗練させたいと思う人が、「Photoshop」のようなソフトウェアを動かせるほど強力になっている。
今後、画質がさらに向上する可能性もある。そうなればカメラの品質に大きな差が出ることになるだろう。
新興企業InVisage Technologiesは、2011年に、はるかに高品質のイメージセンサによってスマートフォン市場を塗り替えることを望んでいる。InVisageは、同社の「QuantumFilm」技術(小さく正確な大きさの感光性半導体からなる要素をイメージセンサチップの表面に塗布するもの)が、現在普及しているイメージセンサ技術より4倍も高い感度になると考えている。
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