ソニー復権への道--熱烈なファンの期待に応えることはできるか - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年03月11日 07時30分

 「5年前に、ソニーは、音楽や動画を再生し、比類ないグラフィック品質のゲームをプレイできる、すばらしい統合デバイスをリリースした。このデバイスは、ソニーがずっと模索してきた、WALKMANを継ぐ存在になっていたかもしれない。しかしソニーは、デバイスをアプリデベロッパーに開放するのも、成功しそうなメディアストアを開設するのも遅すぎた。その間にAppleがiPodとiPhoneをリリースしてしまった」(Yoon氏)

 同じことが、リニューアルされた携帯ゲーム機「PSP Go」のリリースでも起こった。「ハードウェアとしてはすばらしいものだが、ソニーは愚かにも、人々が見て取る価値を大幅に上回る値段を設定してしまった。PS3のリリースで、コンシューマーは製品が高すぎて手が出ないと、むしろそのブランドを嫌いになるということが証明されたはずだ」(Yoon氏)

 ソニーがすべての顧客にとって納得のいく形でアイデアを具現化しないというおそれは、今に始まったことではない。何年も前から、ソニーのファンたちは、同社が独自のソフトウェアと規格にこだわることに対して不満を表明してきた。最近になってようやくソニーは、同社の独自ストレージ規格であるMemory Stickに頼る代わりに、同社製品に使えるSDカードを販売することを選択して、譲歩する用意があるというシグナルを出した。

 Appleが「iTunes」ポータルを通じてコンテンツを販売するために音楽レーベルや音楽制作スタジオとの調整を始めるだいぶ前から、ソニーは傘下の音楽レーベル(Sony BMG)と映画制作スタジオ(Sony Pictures)を自由に使える立場にあった。しかしソニーは、3月になってようやく、同社製ノートPCとゲーム機、そしておそらく今後発売されるスマートフォンとタブレットのユーザーがコンテンツにアクセスできるメディアプラットフォームの立ち上げを計画し始めた。そのようなプラットフォームがなければ、ユーザーはコンテンツを手に入れるためにiTunesなどのサービスに頼るだろう。

 ガジェットについては、ソニーがトレンドに乗り遅れないスピードでアイデアを製品化するのに苦労していることを、同社幹部は認めている。タブレットが良い例だ。ソニーはようやく2月になってから、参入が遅れたことを認めながらも、タブレットの製造に関心があることを表明した。

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