YouTubeとVimeoはH.264をサポートしているが、皆がその路線をとっているわけではない。DailymotionとWikipediaはOgg Theoraを採用した。
大半のウェブサイトは、この混乱からユーザーを守るため、ユーザーがどのブラウザを使用しているかをチェックし、適切な形式のウェブページを提供しなければならなくなるだろう。望ましいHTML 5ビデオ形式がサポートされていない場合、ウェブページは従来のFlashを使うことができる。
ただし、HTML 5ビデオには、Flashより緊密にウェブページと統合できるメカニズムが用意されている。それを利用するには、デベロッパーは実質的に異なるバージョンのウェブページ、つまり統合されたものと統合されていないものを用意する必要があるだろう。
Mozillaが特許という制約のあるテクノロジを反射的に避けようとするのは、現実離れしたことではない。米Unisysは、同社が保有する圧縮に関する特許に基づき、GIF形式のライセンス収入を得ようとしたが、実際にライセンス料を要求し始めたのは、同形式が広く普及してから数年たった1999年になってからだった。
Mozillaで開発者向けの渉外を担当するChris Blizzard氏は次のように述べている。「ほとんどの人々は、舞台裏で何かとても危険なことが起こっていることを理解していない。Unisysは、自身のサイトでGIFを使用するウェブサイト所有者に5000ドルから7500ドルを請求していた。H.264も同じ状況になろうとしている。ただし、こちらの方がはるかに大規模だ」
同氏はまた、YouTubeの動きは、HTML 5ビデオにおけるH.264の地位を固めてしまう大きな1歩だと主張している。
「YouTubeがH.264を選択したことは、すぐに影響を及ぼした。HTML 5ビデオの主要コーデックとしてH.264を使用し始めてもよいという、市場に対する合図になった」(Blizzard氏)
一般的に、H.264はOgg Theoraよりも品質面で優れていると考えられている。しかしBlizzard氏は、MozillaがXiph.Org FoundationのOgg Theora形式開発プロジェクトの改善を支援しており、オーディオ専用コーデックOgg VorbisはMP3より優れていると主張する。「品質の面で、われわれMozillaがXiphコミュニティーの協力を得て達成できたことは、Theoraが、より古いロイヤリティーフリーのテクノロジに基づくものであっても、少なくとも現実にはH.264と同程度の品質である(理論上は必ずしもそうでなくとも)ということを示したことだ」
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