対談:うるまでるび×シモダテツヤ--クリエイター・ミーツ・インターネット【後編】 - (page 2)

構成:沼袋さらだ 撮影:赤司聡2009年12月15日 12時00分

シモダ:クリエイターって基本孤独ですからね。例えばなにか作ろうって考えた時に、ソロで始める人が多いですよね。ひとりでマーケティングからクリエイティブから全部やっちゃう。その結果、器用貧乏になってしまう。僕の場合、オモコロの編集長をやりながら、漫画描いたり、外部とのやりとりもやってるんですけど、やっぱり「作るのに集中したい」って感じるんです。僕よりもプロデュースに長けてる人と手を繋ぎやすい環境があれば、ネットコンテンツってもっと深く濃く、ひとりだったら届かなかないところまで行けると思うんです。

うるま:うるまでるびデラックスはクリエイターの人が発表できる場にもなってくれたらいいなと思ってるんですよ。確かに発表の場としてのサイトって簡単に誰でも作れるけど、力が分散しがちだなって僕も考えてて。どこかの会社が企画としてクリエイターを集めていくのではなくて、クリエイターが自主的に集まって、プロデューサーとかマネージャーとか雇い始め、発表の場も自分たちで作っていったり、テレビ局に提案したり、ネットの世界でなんかやってみたり……そういうことが起きる気がしてます。ただクリエイターって一匹狼で、徒党を組むのが嫌いな人が多いですからね。カリスマ性のある人が必要かもしれないですけど。あと、エンターテインメントのプロデューサーって意外といない。

シモダ:漫画雑誌の編集者ってそういう役割の人なのかなってイメージなんですが。漫画家の担当って、名前が漫画家と一緒に出てなくても、実際は作品の核にまで入り込んで制作に参加して、同時に編集部との折衝もやってますよね。

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うるま:漫画の編集者とか、昔気質の音楽プロデューサーって、無名だけど力を持ってる人を見分ける「目利き」なんだよね。こういうところを伸ばしてあげたらこの人は光るというのがわかってる育て上手でもある。でも、その人たちがそこまでできるのは、出版社やレコードメーカーに元気があって、給料が保証されてたり、失敗しても即会社が潰れることはないという前提があって成り立ってる。今みたいに元気がなくなって疲弊しきってると……。

シモダ:冒険できなくなっちゃうかもしれませんね。

うるま:そう。でもメディアが存在して果たすべき本当の役割は「新人を発掘して育てる」ということなんですよ。今は、自分でなんとかしてください、ある程度育ってから来てくださいって言ってる状態。だったら自分でやりますよって話で。全部こっちでやるんで間に入ってもらう必要はありません、ってクリエイターは言うよね?

シモダ:「自分でできる範囲はしますよ」ってなりますね。

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