Direct2Dでは、プログラマーは透明なボックスや曲線、サイズ変更可能な写真のような基本的な要素をコントロールできる。これらからユーザーインターフェース要素が組み立てられるが、Direct2Dはそれを高速化するために、コンピュータのグラフィックプロセッサを利用する。これは特に、色、サイズ、透明度など要素の特性が変化するような動的な状況で有効だ。
DirectWriteは、同様のグラフィックチップによる高速化を、テキスト表示のタスクにもたらす。テキスト表示は、計算量としては重大でないように思えるかもしれないが、ある部分では多くの計算を必要とする。DirectWriteは特に、文字のサブピクセルポジショニングと呼ばれるものを利用した、より洗練されたテキスト表示のしくみを提供する。
LCDスクリーン上の各ピクセルは、実際には、赤、緑、青用の3つのごく小さな部分で構成されている。サブピクセル技術では、これらのピクセルの部分を使って文字を精巧に描画し、全体の見た目をより滑らかにする。旧式のGDIも部分的にサブピクセルポジショニングが可能だが、水平方向でしか文字を滑らかにできない。DirectWriteでは垂直方向でも同じように曲線を滑らかにできる。
Direct2DとDirectWriteの動作にグラフィックチップを利用することには、いくつか利点がある。1番の利点はパフォーマンスだ。動作の一部はより速く、またはよりスムーズになり、利用できる処理能力が増すことにより、プログラマーはさらに意欲的なプロジェクトに取り組むことができる。2つ目は、グラフィックタスクの処理では比較的効率が悪い汎用CPUの負担が軽減することだ。ほかのタスクのためにCPUを解放しておくことができ、バッテリの消費も節約できる。
Firefoxには既に、「Cairo」と呼ばれる独自のグラフィックシステムがある。Schouten氏はDirect2DとDirectWriteを追加してきた。
もちろん、FirefoxはWindows上のみで動くブラウザではない。MozillaのJohn Daggett 氏は22日のブログ記事で、DirectWrite技術はWindows OSがライバルに追いつくのに役立つと語っている。「既に『Mac OS X』とLinuxのプラットフォームAPIは、CFF(Compact Font Format)形式のポストスクリプトフォントのレンダリングをうまく行っている。DirectWriteはWindows 7でこれを同等のレベルまで引き上げるだけだ」
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