しかし、Linuxで最も実績があるのはサーバ市場であり、そこでは、Linuxはある意味でUNIXの系図における1つの枝にすぎない。UNIXとLinuxはサーバ市場の定番である。
ここでCanonicalは、Ubuntu Enterprise Cloudテクノロジによって抜きん出たいと考えている。
「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」はコンピューティング能力そのものを提供し、ユーザーは稼働しているOSから自分のソフトウェアを起動できる。このサーバでは「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」にデータを保存でき、ほかのAWSサービスを利用できる。料金はすべて、消費した処理能力や必要としたストレージ容量、使用したネットワーク容量といった、消費ベースの価格設定に基づいて支払われる。
Ubuntu Enterprise Cloudは、自社のサーバで同様のサービスを利用できるようにするためのものだ。このソフトウェアインターフェースはAmazonのEC2およびS3のインターフェースとよく似ているので、少なくとも原理的には、サービスが社内のコンピューティング能力を超えた場合、それをAmazonのインフラストラクチャに流すことができるかもしれない。
「基本的に、目標はAPIの互換性を実現することだ」とShuttleworth氏は述べている。最終的に、こういったサービスが大衆市場にアピールするようになれば、それを管理する標準が制定されるだろうと同氏は考える。「最終的にはIETF(Internet Engineering Task Force)の共通管理プロトコルになるだろう」(Shuttleworth氏)
しかし、仮想化機能に関して、エンジニアリング上の厄介な問題が1つある。仮想化では、ソフトウェアによって1台の物理的なコンピュータ上に仮想マシンと呼ばれる区画を作ることで、複数のOSの実行が可能になる。AmazonのEC2では「Xen」と呼ばれるオープンソース仮想化ソフトウェアが使用されているが、Ubuntuで好ましい仮想化基盤は、それとは別の「Kernel-based Virtual Machine(KVM)」だ。しかしUbuntu 9.10では、EC2で動作するXenベースバージョンも提供される予定だ。
「両方の環境で動作するマシンイメージを構築することが可能だ。9.10のEC2で動作するバージョンの作成には大変苦労した」(Shuttleworth氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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