そのようなプログラマーはといえば、すでに報酬を得て雇用されているウェブ開発者たちが多くいる。先進的な開発者たちの多くが、受動的に閲覧されるだけの静的なページではなくインタラクティブなウェブアプリケーションを提供するという、Googleと同じ方向を目指している。
「Google Docs」や「Gmail」といったGoogle自身のウェブアプリケーションのほかに、オンライン写真編集ツール、家計簿ツール、ゲームなどがある。
ウェブなしでは存在し得ないFacebookのようなところもある。Yahoo、Google、Facebook、MySpaceといったサイトは、「OpenSocial」などの基盤を通じて、それぞれのサイトの一部を他サイトのウェブアプリケーションの収容場所として使うようになっている。
要約すれば、Windowsのパラダイムが比較的静的であったのに対し、ウェブがアプリケーションのプラットフォームとして盛んに活用されようとしている。Microsoftまでも、「Office 2010」のウェブベースバージョンでこの流れに加わろうとしている。
では、これで流れは変わったのだろうか。Microsoftはあっさりと敗北を認め、オンラインOfficeチーム以外のスタッフを解雇するべきなのだろうか。答えは「ノー」だ。
ウェブの利便性はますます高まってきているが、アプリケーションの基盤としては大きな欠点がいくつかある。PC上でネイティブに動作するアプリケーションのパワーと機能の豊富さをウェブアプリケーションで再現するには、新しいテクノロジと新しい専門知識が必要だ。
第1に、ウェブアプリケーションでは、セキュリティとテクノロジ上の制約という理由から、ネイティブのOSと同じようにハードウェアリソースを利用することはできない。ウェブカメラを使ったり写真をDVDに焼いたりするのにウェブアプリケーションを使おうとしても、うまくゆかないだろう。
第2に、パフォーマンスの問題がある。ウェブアプリケーションは、HTML、CSS、JavaScriptといった各種標準の組み合わせを通じて実行され、そこで実際にウェブプログラムが実行される。これらの標準は、基本的な操作については十分機能するが、負荷の高い計算処理ではネイティブアプリケーションに比べて処理が遅くなり、ユーザーインターフェースも洗練されていないことが多い。
第3に、インターネット接続という厄介な問題がある。インターネットのないウェブアプリケーションは、糸のないミシンと同じ程度にしか役に立たない。3G接続や今後出現する何らかのテクノロジを通じて改善されていくだろうが、現時点では、多くのハイテク地域においてさえもネットワーク接続を当てにすることはできない。
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