このことにより、一部の外部の団体からは、「情報保証」部門を通じてすでに政府のコンピュータを保護する責務を負っている米国家安全保障局(NSA)か、あるいはホワイトハウス職員が、サイバーセキュリティ業務を引き継ぐべきだという主張もなされるようになった。
通常であればひそかに行われるであろう内部の権力抗争に異例の刺激をもたらしたのは、2009年3月にDHSの国家サイバーセキュリティセンター局長Rod Beckström氏が辞任したことだ。Beckström氏は辞任声明の中で、同氏が「NSAの権力強奪」と呼ぶものを強く非難し、この秘密主義の軍事機関が「特務員を送り込んだりテクノロジを割り込ませたりすることにより、DHSのサイバーセキュリティ業務を事実上支配している」と述べた。
Beckström氏の辞任の前の週に、米国家情報長官であり米海軍の元将官のDennis Blair氏は、「フォートミード(NSAの本部がある)にはコンピュータの専門家がいる」と述べ、NSAが業務を引き継ぐ用意があることを、ある下院委員会に示唆した。しかしその後の聴聞会では、その考えに対する熱心な関心はほとんどみられず、数週間たった後、NSAの局長Keith Alexander氏は、同局がその業務に関心を持っているということを否定した。
2009年2月にObama大統領は、連邦政府によるサイバーセキュリティに関する取り組みについて60日間レビューを行うよう命令し、Bush政権で米国家情報長官を務めていたMelissa Hathaway氏をその責任者として任命した。
さらに、The New York Timesは5月29日に、米国防総省がサイバースペース担当の新しい軍事司令部を創設して、Obama大統領が発表する見込みの文民組織による取り組みと並行して業務にあたらせる準備を行っていると報じた。同紙によると、大統領は「今後数週間の間に、サイバー軍事司令部を創設する機密命令に署名する見通し」で、「米国はすでに多くのコンピュータ兵器を保有しており、その数が増えつつあること、そしてその使用のための戦略を策定しなければならない」との認識だという。
Obama大統領は29日のコメントの中で、自身の選挙キャンペーンがサイバー侵入の標的となっていたことにも触れ、その中でハッカーは政策文書や遊説予定表にアクセスしたが資金調達データにはアクセスしなかったと話した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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