Jobs氏はその後、Appleは依然として、MacやiPhoneの事業では比較的小さいプレーヤーだが、これらの事業は現在最も速いペースで成長していることを指摘した。「Appleが獲得していないが、Apple製品を買いたいと思っている、または、買う余裕がある顧客は、Windowsの世界や99%の携帯電話の世界にはまだ大勢いると思う」
Jobs氏のコメントに対する筆者の推測が正しければ、2009年にはより低価格なiPhoneが登場するだろう。Jobs氏は、2009年もiPhoneの成功を維持するには何をするべきかについて、ライバル会社が高性能なOSで動作する自社版タッチスクリーン携帯電話でAppleを狙っているということで質問を受けた。
この価格の傘のコメントでJobs氏は、市場において支配的だが高額な製品があることで次第に発生し得る競争上の現象について述べている。つまり、新規参入企業は、市場で定評のあるライバルよりも安く製品を提供し、その低価格を維持したまま製品を改善続けることで足がかりを得られることを知る、という現象だ。iPhoneでそのような現象が発生していると仮定するのは少々先走りすぎかもしれないが、Jobs氏が述べているのは、他の携帯電話メーカーが、最初は確立された製品ほど良くはないかもしれないが、顧客に比較的安くスマートフォンが手に入ると思わせるのに十分な製品で市場参入しないよう、Appleは注意する必要があるということだ。このことはおそらく、携帯電話では一般的な報奨金付きの価格設定戦略をiPhone 3Gで取り入れようと、Appleが決意したことと関係があったのだろう。
これは、より低価格なiPhoneをAppleがいつでも用意できるだろうということを意味している。恐らくそれは、いろいろとうわさされている「iPhone nano」のような2009年向け「機能限定」版のような製品で、iPhoneの購入価格をさらに下げ、Research In Motion(RIM)、Nokia、Motorolaといった企業の価格設定の余地を狭めることになるだろう。Jobs氏は、「AppleにはAT&Tというすばらしいパートナーがおり、両社はiPhoneを顧客にとって非常に価値あるものにするため、熱心に取り組んでいくだろう」と述べた。
ただし、iPhone 2000シリーズ、iPhone 4000シリーズ、iPhone 6000シリーズが登場すると思わない方がいい。Jobs氏は、先の例えを使って、人々の携帯電話に対する幅広い好みに合わせて、Appleは幅広いiPhoneラインアップを持つ必要があるかという質問に答えた。Nokiaのような企業には、基本的に同じ携帯電話だが微妙に異なるバージョンがいくつもある。
「従来の携帯電話市場の競争は、1つの音声電話を100の違った機種で製造することだ。しかし、ソフトウェアが携帯電話市場の差別化要因になっている現在、100の違った種類のものを開発者に提示するのは良いことではない。Appleのやり方はソフトウェアプラットフォームの会社としてのものであり、ほとんどのライバル会社のやり方とはかなり異なる」(Jobs氏)
というわけで、Jobs氏が次回のAppleの決算発表に姿を現すと期待しない方がいいだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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