Opera 9.5ではこのほか、メールクライアントでIMAPのサポートを向上した。また、高速なレンダリングエンジンを搭載することで動作速度を向上させる。「現在はウェブアプリケーションなど動的なサイトが多くなっている。そのような環境では特に高速化が実感できる」(冨田氏)という。
インターネット白書2007の調査によれば、Operaデスクトップ版の日本国内シェアはWindows版、Macintosh版を合わせて3.1%となっている。ただし、Operaはユーザーエージェントを変更できるため、他社製ブラウザとしてカウントされることもあり、実際にはもう少しシェアが高い可能性もあるとのことだ。世界的に見るとユーザー数は約4000万人、1日あたりのダウンロード数は10万回以上とのこと。シェアはロシアの16%をはじめ、東欧諸国などで高いという。
Operaは開発時に、10年前に発売されたのPCでも動くことを要件の1つにしている。このため、モデムを使ったダイヤルアップの接続環境や、性能が十分ではないPCを利用している人の多い地域では、特にOperaが好んで使われているのだとしている。「特にロシアでは、学生に対するOperaの講演が多く開催されるなど、ユーザーコミュニティが活発」(冨田氏)
Operaの強みについて、冨田氏は「Operaは常にユーザーの声に耳を傾け、必要とされる機能を実装してきた。タブブラウジングや再起動時の前回最終閲覧サイトの再表示、マウスジェスチャなど、他のブラウザに先駆けて機能を実装してきた」とその開発力とユーザーとの関係の強さを挙げた。「同様の機能が他のブラウザでも採用されるのは名誉なこと」(冨田氏)
また、携帯電話やテレビ、ゲーム機などインターネットに接続できるデバイスが増えている現状において、Operaがさまざまなデバイスに対応している点も強みだという。ライバルのInternet ExplorerやSafariはそれぞれWindowsもしくは Mac OSを搭載したPCか携帯端末でしか動作しない。Firefoxは現在のところ、モバイル端末には対応していない。これに対し、OperaはさまざまなOS上で動作する。
マウスやキーボードがなくても快適にブラウジングできるようにする操作性などは、Operaが持つ大きなノウハウだ。今後はPC以外のデバイスからインターネットを利用する人が増えてくるとOperaでは見ており、Operaリンクを利用することでどんなデバイスでも使い慣れた環境を再現できるよう、マルチデバイス対応の強化を進めていくという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する