[レビュー]デジタル化はノイキャンの“決め手”となるか?--ソニー「MDR-NC500D」 - (page 2)

ソニー
内容:昨年に引き続き今年も数多くのヘッドホンメーカーから新製品が登場しているノイズキャンセリングヘッドホン。この技術に長年取り組んできたソニーが今年発売したのは世界初のデジタルタイプ「MDR-NC500D」だ。電車内、飛行機、オフィスなど騒音の種類を聞き分けるAI機能を搭載し、一段上行くノイズキャンセリング領域へと踏み込んだ。

新たな選択肢デジタル方式のNCヘッドホン

 さらに今回MDR-NC500Dが登場したことで、NCヘッドホンには新たな選択肢が加わった。それがデジタル方式のNCヘッドホンだ。アナログ方式に比べて、デジタル処理でノイズを軽減するため、より正確に効果を得られるのが一番のメリットだ。

 一口に“NC機能のデジタル化”といってしまうと、あまりありがたみはないが、その技術的進歩はフィルムカメラがデジタルカメラに、アナログレコードがCDに取って代わったに等しい進化だ。

 前述したように、NC機能はヘッドホンのスピーカーから出る音とマイクから拾った外音の差に対して、電気回路で反対の波形を作成してノイズを相殺している。アナログ方式は原理は単純なのだが、調整が難しく、回路設計には職人的なセンスが必要だった。

 一方デジタル式はスピーカーの音と、外音をデジタル処理で切り分け、ノイズだけを正確に軽減できる。アナログ式だと音楽とノイズの周波数が重なると再生音に影響が出てしまうので、製品によってはNC機能をオンにすると、騒音は消えるが中低音がスカスカになってしまう製品もあった。

 これには理由がある。電気処理を経て発せられるノイズキャンセル用の音はソース音に比べてタイムラグが生じるので、一部の周波数でハウリング(共鳴)が起こりノイズが発生してしまう。NC機能ではハウリングが発生する周波数の音をカットしてノイズを軽減している。これが再生音の劣化につながることがある。

 デジタル式はアナログ式に比べて、ハウリングを発生させる周波数をより絞って削除するので、ソース音の劣化を最小限にしたNC機能を利用できる。

 と、ここまでがノイズキャンセルヘッドホンの解説だ。MDR-NC500Dの実力はいかがだろう。その実力を試すために地下鉄と飛行機でテストを行った。

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