トヨタがこだわるオンラインならではのプロモーション - (page 2)

鳴海淳義(編集部)2008年01月29日 16時17分

 トヨタのオンラインプロモーションは車種ごとに様々な施策がある。“先進こだわり層”とされる30代男性をターゲットとした「ist」では、リーチするセグメントを絞ったウェブサイトと手を組んだ。

 「ヴィッツ」では女性向けのプロモーションを重点的に行った。ファッションイベント「東京ガールズコレクション」とタイアップし、特設サイトを用意。ブログに書き込みを行えるようにしたところ、予想以上にブログ経由のユーザーがよく見てくれたという。

 米国で展開しているブランド「Scion」は若年層をターゲットとしていることから、仮想世界「Second Life」で公開した。仮想通過であるLindenドルを支払えばバーチャルな車を購入できるという試みが話題となった。

080129_toyota1.jpg宣伝部 コミュニケーション統括室 メディアプランニンググループ 角田紀子氏

 宣伝部 コミュニケーション統括室の角田紀子氏は、「北米はメディアの使い方が進んでいますが、国内ではそれを勉強させてもらってるレベル。まだゲーム内広告を日本で始めるっていうところまでは残念ながら進んでないですね。そういう意味では国内はタイアップもいろいろトライアルさせていただいているところで、これから評価を確立していく段階です」と語る

 女性をメインターゲットとし、東京ガールズコレクションとコラボレーションしたヴィッツだが、テレビでは人気キャラクター「リラックマ」を使ったCMが話題となっている。トヨタでは宣伝部の車種担当者がオンラインからテレビCMまで総合的にプロモーションを展開していくようになっているという。

 特にオンラインマーケティングを仕掛けるときに注意すべき点を聞いた。「何を着地点にするか、最終目標をはっきり持たないと何をやっているのかよくわからないことになる。逆に目的意識を持てばこんなに数字がとれるメディアなんだから、いろいろな指標を作れるなと感じてます。目的意識をはっきりして、タイアップをやるのか、誘導だけでいいのか、フックとなるコンテンツが必要なのか、そういうことを判断しながらウェブ施策のルールを作りたいなと思ってます」(角田氏)

 2007年12月には「eTOYOTA.net」を開設した。ウェブマーケティングプラットホームという位置づけで、ユーザーがトヨタのサイト内にマイページを持ち、トヨタが展開する様々なウェブサイトから知りたいコンテンツを集めて表示することができるページだ。

 表示するコンテンツや、デザイン、レイアウトなどは、ユーザーの好みに合わせて自由にカスタマイズすることができ、ブログパーツも用意されている。iGoogleのようなカスタマイズホームページを企業サイトに応用したイメージとなる。

 「オンラインのプロモーション手法は非常にメニューが増えており、いろいろなことができるが、なかなか取り組めていないという問題意識があります。そこをトライしていくためにも目的意識を持って一つ一つ評価する、という流れを積み重ねていきたい。eTOYOTA.netは、Web 2.0にトヨタとしてどう対応していくかという意味も込めて着手し始めたところですね」(角田氏)

080129_toyota3.jpg「eTOYOTA.net」

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