今後、焦点は上院に移る。上院では間もなく、免責問題をめぐり激しい論戦が繰り広げられることが予想される。
下院の採決が行われるわずか数時間前、上院司法委員会は独自の監視法改正案を可決したが、電子通信事業者に対する遡及的免責を承認すべきか否かの問題は先送りした。
また上院情報委員会も、すでに別の法案を可決している。同法案にはある広範な条項が含まれており、仮に同法案が法制化された場合、AT&TやVerizon Communicationsなどの企業による違法な監視活動を追求する係争中のすべての訴訟の継続が不可能になるだけでなく、将来の提訴や州の公共事業委員会による調査もできなくなる。
ホワイトハウスは、上院情報委員会の法案の成立を強く希望している旨を明言している。しかし一方で、同案はホワイトハウスに対し、裁判所の令状なしに米国民と「合理的に見て米国外にいると考えられる」人々との通信を傍受できる抑制のない権限を過剰に与えるものだ、との批判もある。
上院と下院はともに、Bush政権が支持する米国保護法(Protect America Act)と呼ばれる暫定法に代わる恒久法の制定を目指している。米国保護法に対しては、市民的自由の擁護派や大半の民主党議員から米国民のプライバシー保護が不十分との批判の声が上がったが、8月に議会で大急ぎで可決された。米国保護法は2008年2月はじめに失効予定だが、今のところ同法によって、同法の制定以後、政府の盗聴プログラムに協力した企業の責任が免除されている。
しかし、米国保護法は同法の制定以前に盗聴プログラムに協力した企業には免責を与えていない。Bush政権はそれらの企業に対する遡及的保護を含まない法案に対しては拒否権を行使すると明言してきた。
Restore Actの策定に参加したJohn Conyers下院議員(民主党、ミシガン州選出)は、議員らは、電話会社の活動内容がより詳細に書かれた政府文書を受け取るまで「(ホワイトハウスからの)要請の検討を開始することすらできない」と語る。Conyers氏によると、議員らは政府に対し文書の提出を10カ月前に要請したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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