動画はHD(ハイビジョン)モードでHD-SHQ、HD-HQが選択でき、SD(ノーマル)モードではTV-SDV、TV-SHQ、TV-HQ、WEB-SHQ、WEB-HQが選択できる。HDとSDの切り替えはメニューから行うが、「HD/NORM」切り替えボタンでも可能だ。録画待機時にこのボタンを押す度にHD/SDが切り替わる。その際に選択されるHD/SD各画質モードは直近に選択されていた画質モードとなる。
シーンセレクトをランプモードにすると高感度撮影モードにできる。その際は明るさに応じてISO感度200〜3200相当までの間でAEが働くようになる。ただし静止画画質は0.3Mモードになる(任意で0.9M設定も可能)。動画は「High Sensitivity」モードにすると最低被写体照度7ルクスとなり、より暗い場所での撮影が可能となる。これらは「DMX-HD2」から搭載された「プラチナエンジンII」によって実現されたという。「DMX-HD1A」と比べると約2倍の明るさになり、よりノイズの少ない画像となっているそうだ。
「DMX-HD2」はそのコンパクトなボディサイズも大きな特徴だろう。ポケットに入れて気楽に持ち歩けるカメラだ。しかしコンパクトながらも光学10倍ズームを搭載しており35mm版換算にして38〜380mm相当と広角域から超望遠域までをカバーしている。またXacti独自の手ブレ補正機能も搭載されている(ムービー撮影時のみ)。
「DMX-HD2」には光学式ズームにプラスする形で最大10倍のデジタルズームが用意されている。理屈で言えば光学+デジタルズームで35mm版換算にして最大3800mm相当の超弩級望遠となることになるのだが、周知のようにデジタル的に引き延ばすズームは画質が極端に劣化してしまうためにまず使い物にならない。だが時として超望遠がどうしても欲しいときもある。そこで最高画質の7M-H(望遠端63mm)+約4倍のデジタルズームを使用して撮影した画像とデジタルズームを使用しないで望遠端63mmで撮影した静止画を、ほぼ同じ大きさに引き延ばすことで画質を比較してみた。
「A」を「B」の被写体とほぼ同じ大きさまでになるまで引き延ばしてみると、画像のピクセルブロックがかなり大きくなってしまう。一方「B」の画像はディティールこそは失われてしまっているが、「A」に比べるとまだ実用範囲に思える。これにより4倍程度のデジタルズームであれば実用にも耐えうるという結果となった。いままではデジタルズームというものを無条件に敬遠してきたのであるが、時と場合によっては利用することもできるということだ。これも画像処理エンジンが飛躍的に進化してきたおかげであろう。
「動画デジカメ」と呼ばれる「Xacti DMX-HD2」の大きな特徴として動画撮影と静止画撮影のシームレスな切り替えが挙げられる。「DMX-HD2」での動画撮影中に静止画撮影ボタンを押す事で、そのまま静止画撮影ができるのだ。これによって大事なシーンをムービーで撮るか写真で撮るかと思い悩むこともなくなる。ムービーカメラとスチルカメラの両方を持ち歩くこともなくなり、より撮影に集中できるのだ。これこそが「動画デジカメ」の最大のメリットと言えるだろう。ただ残念なことに静止画撮影画質を2M以上に設定してしまうと、静止画撮影の瞬間から書き込み処理が終了するまでの間、ムービーに記録される画像も静止してしまうということだ。つまり、ゴールする瞬間などのここ一番のシャッターチャンスで静止画を撮影すると、ムービーも同時にいったん静止画となり、数秒後にはまるで何事も無かったかのように動き出すというおかしなムービーとして記録されてしまうということだ。どう考えてもこれではムービーとしては失格だろう。これらを回避する方法としては撮影したムービーから直接静止画を切り出す方法も用意されているが、せっかくの「動画デジカメ」なのだから早急な改善をお願いしたいものだ。
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