そしてボディをスライドさせると、下段にフルキーボードが登場し、自動的に画面が縦使いから横使いに切り替わる。フルキーボードで入力するときには、ちょうど携帯ゲーム機をプレイするようにして構えて親指で操作するカタチになる。このスタイルなら、端末の重さはほぼ影響なくなるだろう。僕の指にとってはキーは小さめだが、指の腹でタイプする分には問題ない。配列はQWERTYと上段に数字キーが並んでいるが、普通のキーボードに比べて「W」と「A」「P」と「L」のあたりでズレ方が足りないので、慣れるまではこのあたりのキーがミスタイプを誘いそうだ。
テンキーとフルキーボードを備え、その上ペンを使ってタッチパネルでのオペレーションが可能とあって、入力環境の充実には目を見張る。端末を閉じているとき、キーボードを開いているとき、ペンを持っているときなど、それぞれに快適なスタイルでの入力インターフェースが用意されているが、どのスタイルの時でも排他利用ではない点がまた、この端末の入力環境の面白さを増している。
端末を閉じた状態、僕はこれにケータイスタイルと名付けようと思う。ケータイスタイルの時には、十時キーと決定ボタン、ソフトキーでのオペレーションを行う。テンキーからの文字入力では、ATOK+APOTの組み合わせで、1文字入力するごとに予測変換の候補が出てくる。これも普通のケータイと同じである。つまり端末を閉じている時はまさにケータイと同じ使い勝手でメールやフルブラウザを扱うことができる。ちょっとPCのメールを読みたい、ちょっとウェブで検索したい、と言うときはケータイスタイルで十分だ。
メールに返信しよう、ブログを書こう、という時には、キーボードをスライドさせて両手で握る。これにはキーボードスタイルと名付けておきましょうか。キーボードスタイルの時にもATOKが誇る高い変換効率の恩恵を受けることができる。しかしここでユニークなことに、キーボードスタイルで入力していても、予測変換の候補が表示されるのだ。フルキーボードと言ってもきちんと5本指で入力できるサイズを確保していないからこその配慮だが、フルキーボードから予測変換の候補が選べる今までにない日本語入力環境は不思議な感じだ。普段はスペースキーで変換をし、時々省入力候補から選ぶという使い方が心地よい。
またキーボードスタイルの時でも、ディスプレイの左に配置されているソフトキーは操作できる。左手の親指について、キーボードを構えると同時にソフトキーまで守備範囲を広げると、ウインドウを閉じたりメニューを表示させるのに画面をタップする必要がなくなる。さらにフルキーボードの文字種選択キーよりも大きいケータイスタイル側の文字キーは使用頻度が高くなりそうだ。これもまた操作を軽快にこなす1つの方法だ。小さめなボディだからこそ可能なハイブリッドな入力インターフェースは、この端末での操作を快感なモノに仕上げていると言える。
またカメラは133万画素CCDと控えめなスペックだが、マクロスイッチが搭載されたことで、QRコード読み取りによるURLやメールアドレスなどの情報入力が可能になった点もケータイらしさを取り入れた1つの要素だ。控えめと言っても1280×1024ピクセルまでの撮影が可能で、miniSDカードに記録できる。端末で撮影した写真は付属のメールソフトから送信も可能で、この際に自動的にサイズの小さなサムネイル画像を作って送る機能もついている。
またムービー録画も最大320×240まで撮影可能で、Windows Media Video形式(.wmv)で保存することができる。静止画よりも動画メモを記録しておく方が重宝しそうだ。サービスによってはそのままメールで送信してビデオポッドキャストができるかもしれない。文字やそれ以外のインターフェースがここまで充実しているケータイをほかに見たことがあっただろうか。あと足りないのはFelicaチップくらいじゃないだろうか。
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