「8カ月間無給で仕事した」--サーチテリア起業から今後の戦略までを聞く - (page 4)

--おふたりは良好な関係を築けていると思いますが、「いてよかった」という瞬間は?

中橋氏:「いてよかった」というより、いないと困りますね。

金子氏:起業家の方にとって我々は、まず意見をぶつけてみる相手です。聞く場所になっているのではないでしょうか。

競合に「驚異は感じない」

--モバイル検索についてお聞きします。PCでは検索はメジャーな手段ですが、携帯電話で検索する人はたくさんいるのですが?

中橋氏:すごくたくさんいますよ。PCと比べればまだ少ないですが、何百万というユーザーがいます。PCは複数ワードの検索が増えていますが、携帯はワンワードが多いのが特徴です。これから複数ワードの検索も増えていくかもしれませんが。クエリが複雑化したら、それに合った広告に活用していけばいいと思っています。

--現在、クエリ単価はいくらくらいですか?

中橋氏:20円から入札競争されています。競争して日々上がっていくのですが、平均で40円くらいです。

--最近、auとグーグルの提携で、モバイルで検索という動きがありますが、グーグルの動きで気になることはありますか?

中橋氏:公式サイトのトラフィックシェアは、勝手サイトが延びています。ニーズはありますが、公式サイトを中心とした検索がどれだけあるでしょう。auで勝手サイトが延びていくのは僕らにとってもプラスになりますし。グーグルのよさはページランクです。

携帯はリンクを張り合わないので、リンクの数では良いサイトかというのがわかりません。友達同士の他愛のない日記が上に出ることも多いのです。公式サイトのページとは違い、勝手サイトでは良さが発揮できません。もう一歩新しいロジックが必要ではないかと思います。

--今後、大手がリスティング広告の精度を高めてモバイルに適したものを出してきたとしても、勝てる自信はありますか?

中橋氏:自信はあります。モバイル市場は小さくてPCを追い抜くことは難しいです。モバイル広告は、手間をかけずに広告を出せるしくみを構築できるかがポイントです。サーチテリアでは、キーワードをカテゴリーでくくってセットで管理するしくみを採用しているので、広告主の方から管理が楽だといわれる仕組みになっています。

--日本の企業でも競合が出現して、モバイルを知り尽くしているベンダーが参入してくるという脅威は感じませんか?

中橋氏:うちは入札競争があるから、詳しい事業計画も書けます。ほかでは特許の関係で定額にて行っていますですからまったく脅威は感じません。

--創業時より市場の変化を感じることはありますか?

中橋氏:創業時のモバイル広告は、出会い、エステ、金融が占めていました。他の広告主が引き気味なこともあったようです。現在では媒体が増えてきて、コマースも伸びている。PCで広まっていてわかりやすいせいだと思います。

--2008年モバイル広告の市場が32%の予測というのは、どういう根拠から出た数字ですか?

中橋氏:米国のネットにおけるSEMのシェアを基準にして、その数年遅れが日本のPC、さらにその数年遅れがモバイルです。その数値を低めに設定して予測したのが32%という数値です。

--2008年に売上規模はどのくらいになっていると見込んでいますか?

中橋氏:具体的な数字はいえませんが、トップシェアを目指しています。

--広告主に対しての掲載基準はありますか?

中橋氏:厳しくガイドライン設けて、代理店に審査をしてもらっています。出したくない広告はジャンル別にブロックできるようにしています。

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