実際に視聴してみよう。まず、解像感の高さと明るさが印象的だ。特にBSデジタルの高ビットレートの番組では、繊細な森林の風景や、複雑な都会の遠景などに、一般の42型プラズマ以上の細やかさと奥行き感が感じられた。オーバースキャンなしに設定するとパノラマ感も少し増す感じだ。色表現では赤の純度の高さが印象的で、薔薇が朱色ががったりすることなく深紅に表現される。色が単純に派手で絵はがき的だった前モデルに較べると、しっとりとした色表現も可能になった。
ALISは明るい反面で、画素間にブラックストライプ(黒を表現するための黒塗りのライン)が置けないため、黒の表現が苦手と言われている。本機も、夜景など漆黒の表現にはやや弱く、比較的ハイキーでパステル調な印象だ。といっても暗部の階調感はよく、晴天下の木立やビルの影などが、影の中の情報をつぶさずしっかり描写できる。
プラズマで出がちな疑似輪郭(雲や人肌などの微妙な階調に偽の輪郭がつく現象)も、映像の多階調処理によって前モデル以上に押え込まれている。DVDビデオの再生でも画素変換に不自然さは感じられない。絵作りとしては、もう少し爽快感がほしい気もするが、自然な階調で見やすい映像だ。メリハリ&記憶色重視のトレンドに迎合していない点は好感がもてた。
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