中国におけるLinuxビジネスの現状(前編) - (page 3)

文:Ingrid Marson(ZDNet UK)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年04月26日 08時00分

--企業にデスクトップを導入したことはありますか?

 われわれの顧客のなかに中国国内で映画館をチェーン展開する会社がありますが、そこでLinuxベースのPOSシステムを導入しているところです。この会社は中国各地におよそ30件の映画館を持ち、各映画館に約20台のPOSシステムを備えています。

 われわれはシステムのチューニングを行い、POSシステムが行うべき基本的な機能を提供するだけではなく、他のことを行えるような処理能力を確保しました。このシステムでは、たとえば別のディスプレイ上に顧客向けの広告を表示することができるようになっています。

--Linuxはデスクトップ市場で受け入れられる域に達していると思いますか。

 それは、どのような種類の市場かによります。一般ユーザー向けの市場では、まだやるべきことが残っています。家庭でPCを使用する場合、マルチメディアやゲームをプレイできることが望まれますが、こういったことはLinuxにとってまだ弱い部分です。

 しかし、企業における使用についていえば、特にPOSシステムといった限られた機能を提供するだけのシステムはLinuxがうまく機能する分野といえます。企業各社はLinuxを採用し始めており、中国が世界貿易機関に加盟した現在では特にその傾向が強まっていますが、これはライセンスの問題があるからです。

--Linuxデスクトップの販売で利益は出ていますか。

 われわれは利益を上げていますが、ただしLinuxデスクトップからではありません。われわれはソフトウェアのアウトソーシングやコンサルティングも行っており、こういった事業が大きな利益を生んでいます。

 純粋なLinuxデスクトップビジネスで大きな利益を上げるのはかなり難しいことです。(利益を上げようと思えば)製品とサービスを組み合わせることが必要になります。

(後編に続く)

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