Liberty Property Trustは、生産性の高い社員の経済的価値に投資した企業の1社だ。シニアバイスプレジデントのJohn Gattusoによると、同社は今後、「グリーン」オフィスビルの建設に特化した総額60億ドルの不動産投資信託を販売するという。
Liberty Property Trustは、その不動産投資信託を販売するに当たり、Leadership in Energy and Environmental Design(LEED)の認証を受けるという。LEEDは、水利用の効率性、使用されている材料、屋内環境の質、設計といった基準に基づいて建物の質を点数にするレーティングシステムだ。
Gattusoによると、同社は、空気がきれいな明るい職場環境が従業員の生産性を高めることを証明することによって、グリーンビルディングプロジェクトを売り込んでいるという。また同氏は、オフィスビルのランニングコストの85%はビルで勤務する人々の人件費だと指摘した。
「トップ企業は、総コストの85%を消費している従業員の生産性を高めるために、コスト全体の15%を消費するビルをいかに活用するかに注目している」とGattusoは語る。
さらにGattusoは、日光を最大限活用する、エネルギー効率を最大化する、空気の質を高めるといった役割を果たすコンピュータ制御システムなど、最新鋭の建築技術を使用しない建物を建設する行為は、時代遅れの製品を生産するに等しく、今になって1985年当時の自動車を製造するようなものだ、と付け加えた。
費用対効果
討論会に参加したパネリストらによると、「グリーン」な建物や設計が人々にもたらすプラス効果は、どんな種類の建物にも期待できるという。
Fedrizziは、Green Building Councilから委託された研究に言及し、グリーン技術を導入して建設された学校で学ぶ児童は、一般の学校の児童に比べテストの点数が2割高く、またグリーン技術を使った病院の入院患者は、従来の病院の入院患者に比べ退院が2.5日早かった、と述べた。また同氏は、複数の小売店のオーナーが、グリーンビルディング内の店舗の方が、消費者の滞在時間が長く、購入金額も多くなることを発見したと付け加えた。
クリーンエネルギー専門のコンサルタント企業Capital EのGreg Kats社長によると、グリーンビルディングを建築する際の前払い費用は一般の建物に比べ約2%高いという。しかし、その費用はいずれ回収できる、とパネリストらは語る。
例えば、LEEDの認証を受けたビルが備えるエネルギー効率を高めるための様々な仕組みにより、冷暖房費や電気代が節約できる。KatsはCapital Eが行った研究の結果に触れ、(グリーンビルディングは一般の建物に比べ)エネルギー効率が3割高く、一方で、汚染物質や温室効果ガスの排出量は45〜50%少ないと語った。
討論会のパネラーによると、高性能ビルのその他のメリットとしては、リセールバリュー(再販価値)の高さや、管理費の安さが挙げられるという。
ただ、Fedrizziは、グリーンビルディングの健康上のメリットや生産性を裏付けるより多くのデータの必要性を認めた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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