第2のグーグルとなるのはどこか?--検索ベンチャーが続々登場 - (page 2)

サーチエンジンは打ち出の小槌か

 こういった状況の中、新しい検索ビジネスが登場するかどうかはわからないものの、数多くの検索エンジン業者予備軍の中からうまく儲ける企業が出てくるのでは、という期待も高まっている。

 3月上旬、ボストンに拠点を置くHighland Capital Partnersは、500万ドルをQuigoに投資した。Quigoの技術はウェブページの文脈や文意を解析し、より的を絞り込んだ広告を配信するもので、Googleの広告エンジンに似たものだ。QuigoはすでにOvertureという優良顧客をつかんでいる。これまでOvertureは人手の作業で広告配信を行っていたが、Quigoの技術を採用するということは、同社がテクノロジーを積極的に活用しようという姿勢を示すものだといえる。

 「Quigoは市場で頭角を現しつつある」と、Highland Capital Partnersのパートナー、Bob Davisはいう。Davisは1990年代にLycosを設立し、その年に同社を上場させた人物だ。現在同氏はQuigoの取締役となっている。

 HighlandのベンチャーキャピタリストRichard de Silvaは、「賢明な投資家は、サーチエンジン広告を改善できる企業に投資し、検索技術そのものには投資しない」という。その理由は「儲からない」からだ。

 新興企業のIndustry Brainsは検索エンジンマーケティングでひと味違ったサービスを提供しようと、Kiplinger.com、BusinessWeek、Slashdot、Salary.comほか約50社のサイトにカスタマイズしたプライベートラベルサービスを提供している。こういったサービスは、GoogleとOvertureが提供しきれていない部分の穴埋めができるため、高い需要が見込まれるとアナリストらは述べている。

 多くのオンライン出版社から聞こえてくる共通の悩みは、OvertureやGoogleの広告ネットワークを使えば、カテゴリーの異なる他の多くの出版社と一緒にされて差別化を図ることができず、広告主から高い広告料を引き出すことができなくなってしまうという点だ。一方、広告主にしても、特定のサイトに向けてテキストベースの広告を表示させたいが、うまくターゲットが絞れないことに不満を募らせている。

 Industry Brainsを利用すれば、オンライン出版社は高い広告費を獲得できるようになる。それは、たとえばテクノロジー分野に売り込みをかけたい広告主が閲覧者からの高い反応を得ることができるようになるからだ、と同社のCEO、Eric Matlickは述べる。

 「1クリックの重みはすべて同じではない。当社のサービスによって、広告主は1クリックのもつ価値を逃さずに済む。広告主は100の検索キーワードを入札するのではなく、1カ所の入札サイトにログインし、複数のサイトに対して個別に入札することができる」(Matlick)

 Matlickは今年、40億ドル規模のサーチエンジン広告産業を相手にするつもりはないと述べる。ターゲットとするのは、1億ドル規模のプライベートラベル業界だ。この市場をねらいうちすることで、同社の売上は毎月約20〜30%増の成長を続けているとMatlickはいう。同社は、現在Softbankに在籍するZiff-Davis前社長のMike Perlesと、メディア会社24/7 Mediaの創業者であるJeff Judgeの出資を受けている。

 GoogleやOvertureといった企業はまだ同様のサービスを出していないが、アナリストはこれについて非常に有望なビジネスであると見ている。

 「検索サービスは、最高ではないかもしれないが、かなり効果的な広告手段のひとつとして注目されている。このような状況下で、各社はできればその利益を独り占めしたいと考えるだろう」とComScore NetworksのアナリストJames Lambertiは述べる。

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