「米Oracleが米PeopleSoftに仕掛けている敵対的買収について、PeopleSoft買収に名乗りをあげるソフトウェアメーカーは現れないだろう」。米Gartnerが、業務ソフトウェア市場大手メーカーのPeopleSoft買収に関するメリットなどを分析し、その結果を発表した。
OracleがPeopleSoftの買収計画を表明したことで、ほかの大手ソフトウェアメーカーがより条件の良い買収案を提示するのではないかと憶測が流れている。しかしGartnerは、「PeopleSofにとって救いとなる“白馬の騎士”は現れない」と結論付けた。「米Microsoftや米IBMなど競合する業務ソフトウェアメーカーにとって、Oracleによる買収でもたらされるリスクは、PeopleSoft買収の動機付けには不十分」(Gartner)というのだ。
Gartnerの分析によると、OracleによるPeopleSof買収で最も大きな損害を受けるのはIBMだという。しかし、IBMが買収を阻止する行動には出ないだろう。「PeopleSoft買収を提案する確率はソフトウェアメーカーのなかでIBMが最も高いが、戦略変更を迫られるほどの状態ではない」(Gartner)
しかしGartnerは、「仮にOracleがPeopleSoft買収に成功し、Microsoftも技術とアプリケーション機能を組み合わせるなどして、業務ソフトウェア市場に大規模な整理統合が進むと、IBMは大きな買収を繰り返して5年以内に同市場に参入してくるだろう」と予測する。
一方Microsoftは中小企業向けのアプリケーションに注力しており、PeopleSoftと市場がほとんど重複していない。またドイツのSAP AGは、PeopleSoftの製品を必要としておらず、自社製品だけで十分やっていける。
Gartnerは、Oracleによる買収の成否に関わらず最も恩恵を得るのはSAPとみる。「現在の不安定な状況から逃れる安全な場所を求めているPeopleSoft、J.D. Edwards、さらにはOracleの顧客に対し、SAPはあらゆる手段を使って勧誘を行うだろう」(Gartner)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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