FCIP技術を使った長距離の非同期データ複製実験が成功

 米Sprint、Cisco Systems、Hitachi Data Systemsの3社は8日(米国時間)、3600マイル以上の距離がある比較的安価なIPネットワーク上で、一種のデータ複製が可能であることを実験により証明したと発表した。

 Sprintによると、今回のFCIP(Fibre Channel over IP)技術を使ったいわゆる非同期データ複製の成功は、企業の事業継続戦略に多大な影響を与える可能性があるという。

 市場調査会社IDCのストレージシステム担当アナリスト、Richard Villarsも今回の発表の重要性を認めている。Villarsは、今回の実験の成功により、より安価な長距離データ保護が可能になることは間違いないと語る。「(非同期データ複製により)より費用効率の高い災害復旧計画が可能になる」(Villars)

 非同期データ複製とは、遠隔地に企業データのコピーを作成する方法。この非同期データ複製を行うには、高価な専用の光ファイバ・ネットワークを構築あるいはリースする必要があり、これまでその点が大きな障害となっていた。

 Sprintは、今回の実験により、既存のIPネットワーク接続を用いることでコスト削減が図れることが証明されたと語る。Sprintの技術スタッフマネジャーのAudrey Harmanは、大半の企業は長距離のデータ複製にFCIP技術を使用できることに気付いていないと指摘した。

 同時多発テロ後、データのバックアップを複数の場所、それも同じ地理的領域内だけでなく、遠隔地でも行おうとする企業が増えてきた、とVillarsは語る。さらに、政府規則により一部企業は近い将来、遠隔地でのデータ複製を義務付けられる可能性がある、とSprintの技術開発担当バイスプレジデント、Oliver Valenteは指摘する。

 Sprintら3社は、今回のデータ複製テストが既存技術を使って行われたと語った。今回の実験は、カンザス州オーバーランドパークにあるSprintの研究所と、カリフォルニア州バーリンゲームにある同社の別の施設とを結ぶネットワークを、3600マイルに及ぶFCIP接続に見たてて行われた。

 リンクの構築には、Sprint製回路、Cisco製 「MDS 9000 IP Storage Services」モジュール付き「MDS 9000」ストレージ・エリア・ネットワーク・スイッチ、「Hitachi TrueCopy」データ複製ソフトウェアを搭載した「Hitachi Freedom Storage Lightning 9900 V Series」システムなどが使われた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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