米連邦地方裁判所のLucy Koh判事は米国時間8月4日、「iOS」デバイスから送られたテキストメッセージが「Android」デバイスに届かない問題でAppleが訴えられた裁判について、集団代表訴訟として進めることはできないとする裁定を下した。Bloombergが5日に報じた。
この裁定は、Appleにとって重要な意味を持つ。集団代表訴訟となれば、さまざまな人が訴訟に加わり、敗訴したり和解に応じたりした場合のコストが膨れ上がるからだ。
この訴えは、サムスンのスマートフォンユーザーであるAdrienne Moore氏が2014年に起こしたものだ。同氏は訴状の中で、Appleの「iMessage」システムを使ってAndroidユーザーに送信したテキストメッセージが届かない場合があり、その問題をAppleが送信者にも受信者にも知らせなかったと主張している。
iMessageは、iOSユーザーがデータ通信量を気にすることなく他のiOSユーザーにテキストメッセージを送信できる機能だが、ユーザーがiOSデバイスからAndroidデバイスに乗り換えると、問題が発生するようだ。iMessageが2011年にリリースされて以来、Androidに乗り換えた元「iPhone」ユーザーの多くが、iMessageから自分たちに送信されたテキストがどこかに消えてしまい、届かなくなると報告している。送信者はそのメッセージが無事に届いたと思っていても、実際には届いていないという。
この問題は、モバイルOSを変更した際に以前と違うテキストメッセージアプリを使うことになった場合の落とし穴を示すものと言える。
Appleは、すでにこの問題の回避策を提示している。1つのやり方は、iPhoneの設定パネルでiMessageを無効にしてから、SIMカードまたは電話番号を新しいAndroidスマートフォンに切り替えるというものだ。しかしながら、不具合の影響を受けたユーザーの多くは、この方法でも問題が解決されていない。もう1つの回避策は、他のiPhoneユーザーに対し、自分の連絡先を一度削除してから登録し直すよう求めるというものだ。こうすれば、そのユーザーと自分の電話番号の間で設定されていたiMessageのリンクが完全に消去される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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