さて気になるのは速度だろう。AirMac Extremeの一番のウリはIEEE802.11n(のドラフト版)に対応したことだ。802.11nはMIMOという技術を使って、より高速に、より遠くから接続できる802.11 a/b/gの次の規格である。
一応、実効速度100Mbps(802.11gは理論値が54Mbpsだが実効値は20Mbpsレベルだった)を目指して開発されており、アップルでは802.11gと比較して、最大5倍のパフォーマンス、最大2倍のネットワーク範囲(つまり、電波の到達距離が伸びる)と表現している。
では実際に速くなるのか、1.1Gバイトのデータ(数100枚のデジタル画像が入ったフォルダ)をコピーして、所用時間を計ってみた。
作業は、有線LAN(100BASE-TX)でつながったデスクトップ機から1Gバイト強のフォルダをMacBookにコピーする時間を計測。
旧AirMac Exreme(802.11g):約5分40秒
新AirMac Exireme(802.11n):約3分
5倍はさすがに無理だが(各種オーバーヘッドもあるし)、2倍近い速度は出た。ネットワーク速度的には6.5〜7Mバイト/sec。体感的には随分違う。
ちなみに、有線LAN(100BASE-TX)のみでコピーした場合は約1分50秒。理論値ではもっと高速なはずだが、無線だと利用環境によってさまざまなオーバーヘッドやロスが生じるので、環境によって速度差は出るだろう。それでもかなり速くなるのは確かと思っていい。
もちろん、新AirMac Extremeで速さを味わうにはクライアント側、つまりパソコン側も802.11nドラフト規格に対応してる必要がある。
MacではCore2Duoを搭載したMac(17インチのiMacは除く)が対応。2006年時点では802.11g対応として売られていたが、AirMacユーティリティをインストールすると、クライアント側のAirMacも802.11nドラフト対応にアップデートしてくれる。
それ以前のMacやWindowsマシンでは残念ながら、IEEE802.11gでの速度となる。では802.11nの速さを味わえない人は意味がないのか、というとそんなことはない。
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