ハワイでワーケーション--円安、インフレ、19時間の時差の波を乗り切れるか

薬袋友花里 (oVice 広報)2024年05月05日 09時00分

 「歴史的な円安」「インフレで物価が高騰」。そんな言葉が聞かれるようになって久しいが、そんななかでハワイに渡航することになった。妹の結婚式に参加するためだ。

 せっかくなら、円安による出費を気にしすぎずに滞在を楽しみたいし、19時間も時差があるなかでリモートワークしたらどうなるのか体験したい。そう考えて、現地でさまざまな場所を訪問した。

 今回は時差19時間の中で働いた時の様子や、円安、インフレなども含めて現地で感じたことをつづりたい。

  1. ハワイ渡航の日程や滞在場所
  2. 時差19時間での勤務は「意外と快適」
  3. コワーキングスペースも複数あるホノルル
  4. 円安、インフレの影響……正直な印象は「あおりすぎ」?
  5. 「日本スタイル」から離れればお得に滞在できるかも
  6. ホノルル以外の島でもリモートワークしてみたい

ハワイ渡航の日程や滞在場所

 今回の渡航は日本時間3月31日から4月5日までの約1週間。成田とホノルルの往復直行便を利用した。JALやANAなどの日系の航空会社に加え、ハワイアン航空やデルタ航空など、多くのアメリカ系の航空会社がホノルル便を運航しているため、選択肢はかなり多くてありがたい。

 宿泊先は、観光地として有名なホノルルのワイキキビーチからほど近いホテルに滞在した。

青くてきれいなワイキキビーチ
青くてきれいなワイキキビーチ

時差19時間での勤務は「意外と快適」

 ハワイとの時差は19時間。友人たちに「妹の結婚式にあわせてハワイからリモートで働くんだ!」と報告すると、多くの人に「楽しそう!……でも時差が大変そう」と心配された。

 ただ、実際ハワイに滞在してみると、意外にも時差はほとんど気にならなかった。今回は1日半ほどリモートワークをしたが、19時間の時差というと、日本とほぼ丸1日違うため、ほとんど体内時計を調整することなく滞在でき、日本とのやり取りもしやすかった。

 海外にいながら日本とやり取りする際、最も大事なのは時差の計算だ。ただ、時差の計算も意外と簡単だった。日本の方が日付が1日進んでいることに気をつけつつ、ホノルル時間から5時間引くだけで今の日本時間が分かる。例えば、ホノルル時間の19時は、日本時間の翌日14時となる。日本の勤務時間にある程度合わせて働きたい場合、ホノルル時間の12時から21時まで勤務すると、日本時間の翌日7時から14時に働くことになる。早めに起きて出かけ、午後からは仕事に集中することが可能だ。

重なる時間が多いため連携はしやすい
重なる時間が多いため連携はしやすい

 身体にほとんど負担をかけずに日本ともコミュニケーションが取れるため、普段日本で生活している人にとっては意外とワーケーションには向いている場所だと感じた。

コワーキングスペースも複数あるホノルル

 今回はワイキキビーチのすぐ近くのホテルに宿泊していたが、周辺にいくつかコワーキングスペースがあったのもありがたかった。

 私が今回利用したのはハワイ最大と言われるショッピングセンター「アラモアナセンター」からも近いコワーキングスペース「BoxJelly」だ。営業時間はホノルル時間の9時から17時までと、日本時間に合わせて働きたい場合はコワーキングスペース閉店後に移動が必要になる。1日利用のチケットは29ドル(4500円)で、気分転換には最適だった。コワーキングスペースでは、日本にいるときと同じようにバーチャルオフィス「ovice」にアバターで出社して働いた。

ヤシの木が外に見えるなかでoviceに出社 ヤシの木が外に見えるなかでoviceに出社
※クリックすると拡大画像が見られます

 今回このコワーキングスペースに滞在したのは5時間ほどだったが、その間に普通に犬が入ってきたり、入り口脇にはサーフボードが立てかけられていたりと、日本ではあまり感じられないラフな雰囲気が味わえ、海外にいるということを実感させてくれた。また、コワーキングスペース奥には畳もあり、日本人が多く滞在する地域なのだということも感じられた。

畳のエリアもあった
畳のエリアもあった

 Googleマップ上で「コワーキングスペース」と入れたり、ウェブ上で「ホノルル コワーキングスペース」と検索すると、2時から0時までと、ほぼ24時間開いているコワーキングスペースも出てきた。そもそも国内でもかなりの時差があるアメリカ。どの時間帯で働く人にとっても、安心して利用できる環境があるというのは何ともありがたい。

円安、インフレの影響……正直な印象は「あおりすぎ」?

 休日はホノルルはもちろんオアフ島内の各地を観光して回った。当然ながら円安の影響はとても心配だった。

 もちろん日本よりも「高い」と感じるものは多かった。平均すると日本の物価の1.5倍から2倍ほどの印象だ。出発前に周囲から聞こえてきたのは「ラーメンが1杯3500円」「夕食を食べたら1人1万円」など日本の感覚からすると不安になるフレーズばかり。ただ、滞在してみて感じたのは、円安による出費の多さを過剰に強調したり、不安をあおるような情報が多すぎるのではないかということだった。

 確かにホノルルでは、たまたま行ったカフェの朝食が1人20ドル(3000円)ほどだったり、レストランで食べた夕食は1人60ドル(9000円)近くしたりした。外食は軒並み高い印象だったが、ワイキキビーチから離れたり、ローカルなお店を選べば落ち着いた価格帯のものもあり、例えばご飯と卵1個、ソーセージがセットになった朝食が4ドル(600円)ほどというところもあった。

大きなステーキが54ドル(8100円)。ワイキキビーチが見えるという立地を考えると「高い」のか…?<
大きなステーキが54ドル(8100円)。ワイキキビーチが見えるという立地を考えると「高い」のか…?

 また、おみやげに最適なたくさんのクッキーが入ったお菓子が3ドル(450 円)ほどだったり、デザインのかわいいエコバッグが1ドル(150円)で買えたりと、日本とほとんど変わらない、むしろ「安い」と思うものもあった。円安の影響で全てが高いというわけではないため、掘り出し物を見つける気持ちで行った方が楽しめそうだった。

かわいくておみやげにも最適なエコバッグが多い
かわいくておみやげにも最適なエコバッグが多い

「日本スタイル」から離れればお得に滞在できるかも

 滞在費が「高い」と感じるのは、「日本スタイル」で滞在していることが理由ではないかと感じる事もあった。

 私の妹はアメリカ人と結婚したため、今回の結婚式にはアメリカからも親族がたくさん来ていた。その親族たちが泊まっていたのはホテルではなく、複数の部屋とそれをつなぐ大きなリビングやダイニングのある「コンドミニアム」だった。敷地内にはジムやプールはもちろん、バーベキューエリアもあり、家族との時間を大切にするお国柄が感じられる施設だった。

食材を買って皆でバーベキューもできる
食材を買って皆でバーベキューもできる

 ビーチのすぐ脇にあったため、好きな時に海に入ることもできたし、設備もしっかりしているため、親族の数人はここからアメリカ本土とつないでリモートワークしたそうだ。

夕日を見ながら歌を聞けた
夕日を見ながら歌を聞けた

 コンドミニアムには広々としたキッチンがついているため、アメリカ人の親族はスーパーなどで食材を買い、自炊しながら家族との時間を過ごしたそうだ。私もスーパーを何軒か回ってみたが、有名なディスカウントスーパー「Target」ではスーパーフードと言われている野菜「ケール」が大量に入って1袋4ドル50セント(670円)だったり、メロン半玉が2ドル(300円)弱で売っていたりと、日本と比べるとお得なものも多いと感じた。

 複数人でハワイに滞在するなら、「ワイキキビーチ近くのホテルに泊まり、食事は基本的に外食」という日本スタイルから離れ、皆で一緒にコンドミニアムに滞在し、現地の食材を楽しみながら過ごすというのもありだと感じた。そうすることで、滞在費も少し抑えられるのではないだろうか。

ホノルル以外の島でもリモートワークしてみたい

 言わずと知れた観光地であるハワイのホノルル。私にとっては今回が初めての滞在だったが、いざ行ってみると、ターコイズブルーの海や、恐竜が出てくるのではないかと思うほど迫力のある山、不思議な色の鳥たちなど、自然の美しさに圧倒された。

鮮やかな赤い頭の鳥。色は違うが、メジャーリーグ「カージナルス」の鳥と同じ種類。
鮮やかな赤い頭の鳥。色は違うが、メジャーリーグ「カージナルス」の鳥と同じ種類。

 また、現地ならではの食べ物や文化を体験でき、海好きにも山好きにも、観光地でのお買い物好きにもローカルな雰囲気好きにも良い場所だと感じた。

結婚式で見たエキゾチックなダンス
結婚式で見たエキゾチックなダンス

 時差の影響はほとんど感じず、ホノルルのあるオアフ島以外にも素敵な島々があるハワイ。次は別の島に行ってリモートワークしながら現地のリズムを味わってみたい。

ovice

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