東京工芸大学の渋谷眞人名誉教授が2022「SPIE ルドルフ&ヒルダ・キングスレイク光学設計賞」を受賞 --「フォトリソグラフィー用位相シフトマスク」を発明、光学設計の発展に貢献 --

東京工芸大学 2022年02月09日 14時05分
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東京工芸大学(学長:吉野弘章、所在地:神奈川県厚木市、以下同大)の渋谷眞人名誉教授が、国際光工学会SPIEにおいて、2022年度ルドルフ&ヒルダ・キングスレイク光学設計賞(SPIE Rudolf and Hilda Kingslake Award in Optical Design)を受賞した。




 この賞は、著名な光学設計・技術者ルドルフ・キングスレイクおよびヒルダ・キングスレイクを記念した賞であり、光学技術の理論や実証を含む光学設計分野での顕著な功績を讃えるもの。
 表彰式は2022年8月にアメリカ合衆国カリフォルニア州にあるサンディエゴで行われる予定。



 今回の受賞は「フォトリソグラフィー用位相シフトマスク」を1980年に発明(1982年公開)して、光学設計の発展に多大な貢献をもたらしたこと、その発明の過程の中で平面波展開による光学系の理解の有用性に着目し、平面波展開に基づく結像理論の基礎を築いたことが評価されたことによるもの。
 半導体回路は、マスクという原版に描かれてあるパターンを、レンズで、ウエファーという半導体素材上に転写して作られる。写真と同じ原理である。マスクの光が透過する場所ごとに光の進みに差をつけることで、従来の光学理論では結像できないとされていた微細なパターンを焼き付けられるのが「位相シフトマスク」である。
 この発明の過程で、平面波展開による結像理論の重要性を再発見し、結像理論における問題点を指摘し解決している。さらに、半導体露光装置の結像評価理論の精密化などにつながっている。

 渋谷名誉教授は、日本光学工業株式会社(現ニコン)に入社し、衛星搭載光学系や半導体露光装置などの最先端技術の光学設計・開発に従事した後、2001年、東京工芸大学に入職。同大工学部および工学研究科で、光学結像理論や光学設計技術にかかわる最先端技術を研究し、主に光学設計に関わる授業を教えてきた。現在も同大で教鞭を執るほか、同大名誉教授として執筆や講演を行い、またISOやJISの仕事を通じて、光学会・光学産業界の発展に尽力している。渋谷名誉教授のISOに対する貢献もSPIEホームページの中で評価されている。

 今回の受賞について、渋谷名誉教授は「位相シフトマスクは米国のMarc Levenson と同時期に全く独立に発明されました。過去の発明発見の歴史でも同じようなことがあると思います。教科書に書かれてある理論が納得できなかったのが発明繋がりました。学生の皆さんも、教科書が良く分からないということは発明や発見の端緒なのかもしれません」と話す。




■SPIEについて
 光学・フォトニクスの国際学会のSPIEは、エンジニア、科学者、学生、ビジネス専門家を集め、光関連の科学と技術の前進に取り組んでいる。1955年に設立された同学会は、業界をリードするカンファレンスと展示会、SPIEデジタル・ライブラリーにおける紀要、書籍、ジャーナルの出版、キャリア向上の機会を通じて、グローバルな構成員とつながり、関係を構築している。
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■東京工芸大学
 東京工芸大学は1923(大正12)年に創立した「小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、当初から「テクノロジーとアートを融合した無限大の可能性」を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎える。 
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▼本件に関する問い合わせ先
学校法人東京工芸大学 総務・企画課 広報担当
TEL:03-5371-2741
メール:university.pr@office.t-kougei.ac.jp


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